特別企画!ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(1日目)

特別企画!ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(1日目)

2020年を迎えて早くも初夏に。パンデミックの影響で巣ごもりの時間が長引くなか、音楽を心の拠りどころにする人も多いことでしょう。そこで、ロッキング・オンが選んだ「2010年代のベスト・アルバム 究極の100枚(rockin’on 2020年3月号掲載)」の中から、さらに厳選した20枚を毎日1作品ずつ紹介していきます。

10年間の「究極の100枚」に選ばれた作品はこちら!


2014年
『モーニング・フェイズ』
ベック


特別企画!ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(1日目)

モダン・クラシカル・ポップの傑作

最新作『ハイパースペース』も素晴らしかったが、やはりテン年代を代表するベックのアルバムと言えばこれだろう。穏やかで落ち着いた叙情的なシンガー・ソングライターとしてのベックの、現時点での最高到達地点と言える作品だ。

2002年の傑作『シー・チェンジ』同様、ストリングスをフィーチャーした静謐でエレガントでアコースティックなボーカル・アルバムだ。ザ・バーズ、クロスビー、スティルス&ナッシュ、ニール・ヤング、グラム・パーソンズなど、伝統的な西海岸ロックの再解釈と言っていいだろう。いわゆるウエストコースト・サウンドという言葉から連想されるような楽観性は薄く、よりメランコリックでセンチメンタルで内省的。また“ウェーヴ”をはじめとする数曲は、スコット・ウォーカーあたりを彷彿とさせるネオ・クラシカルなヨーロッパ的チェンバー・ポップに仕上がっている。

さらに生音中心のナチュラル・リバーブに包まれた柔らかく立体的な録音は素晴らしく、レコーディングも含めた音響面に格別に気を配った作品であることがひしひしと伝わってくる。時代の垢を落とし、入念に磨き上げた音像は時を超えたエバーグリーンなもので、モダンで美しい。

アメリカやヨーロッパ音楽の伝統から連なるルーツやクラシック・ロックの掘り起こしを、決してノスタルジーにならず「2010年代の視点」から再構成し、最新の録音技術でもって磨き上げ提示する。ベックの音楽センスの良さ、時代を見極める眼力の鋭さが光る大傑作だ。 (小野島大)
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