「『デジャ・ヴ』に取りかかると、すべてが変わった。僕はもうジョニ(・ミッチェル)と付き合っていなかったし、スティーヴンもジュディと別れ、デヴィッドのガールフレンドは事故で亡くなった。精神的にズタボロなうえに、常にハイだった」(ナッシュ)
どんなバンド・ヒストリーよりも〈奇跡の〉というコピーが似合うクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング(CSN&Y)の物語。
米英でそれぞれのバンドで活躍していた3人が、本号大特集となっているジョニ・ミッチェルのローレル・キャニオンの家で出会い、生み出した完璧のハーモニーに感激してグループ結成、ライブのためにケンカ仲間でもあったひとりを招き入れCSN&Yとなり、2回目のステージがウッドストック・フェスだった。
70年に出した『デジャ・ヴ』は世界中で大ヒット、その後、それぞれに多くのドラマがあったが、アルバムに込められたあの時代の輝きは、50年を経た今もまったく薄れることはない。
このインタビューはその長き歴史を4人が多くのエピソードと共に語ってくれている。有名なスティーヴン・スティルスが霊柩車に乗ったニール・ヤングに再会する場面やニールのウッドストック映像拒否のわけ、『デジャ・ヴ』の制作の裏側など、どれもこのグループがいまだに奇跡と呼ばれる種明かしをしてくれるかのようでもあり、どこかいまだに生々しい人間関係をダイレクトに伝えてくれる。 (大鷹俊一)
CSN&Yのインタビューは、現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。