祝、ソロ10周年!! ノエル・ギャラガーに再びロッキング・オンがインタビュー。すべてをぶつけた総力取材で我らが兄貴の10年を徹底総括!

祝、ソロ10周年!!  ノエル・ギャラガーに再びロッキング・オンがインタビュー。すべてをぶつけた総力取材で我らが兄貴の10年を徹底総括!

「そのうち、ポール・マッカートニーポール・ウェラーボブ・ディランニール・ヤングイギー・ポップジョン・ライドンっていう、すごい連中がこの世からいなくなったら、俺しかいなくなるんだから。そして、俺がいなくなったら、誰もいなくなる」


ノエル・ギャラガーのソロ・キャリア10周年を記念したベスト・アルバム、『バック・ザ・ウェイ・ウィー・ケイム:Vol 1(2011 -2021)』が遂にリリースされる。デビュー・アルバム『ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ』から3rdアルバム『フー・ビルト・ザ・ムーン?』に至る3枚のオリジナル・アルバム、直近のEP3部作から選りすぐったナンバーに加え、未発表のリテイクやリミックス、そして2曲の新曲を収録した本作は、ノエル曰く「人生最良の10年間」の軌跡だ。

そして、私達ファンにとっては、彼がこの10年で遂げた変化に改めて驚かされる現在進行形のコンピレーション・アルバムだ。

ほぼ時系列に沿って収録された本作を聴いていくと、次々に景色が移り変わっていくのを感じる。何十年もノエルの曲を聴き続けてきたはずなのに、(例えば“ホーリー・マウンテン”を聴いて)初めて彼に出会った気分になった日の記憶が蘇ってくる。おそらく、ノエル自身もそうだろう。ソングライターとしての自分、シンガーとしての自分、フロントマンとしての自分、その何もかもが新たな発見の連続だったはずだ。

だから『バック・ザ・ウェイ・ウィー・ケイム~』はベスト・アルバムには違いないのだが、キャリアに一区切りをつけて評価を確定させるマイルストーンとしての機能は希薄だ。本作はもっとずっと流動的で、むしろ次の10年に向けてのイントロにすら思える作品なのだ。

こうして10年が経った今、ノエルのソロとオアシスの最大の違いは普遍性に対する認識の差であるとつくづく感じる。例えばノエルは自ら選曲したオアシスのベスト盤『ストップ・ザ・クロックス』で、裏ベスト的な『ザ・マスタープラン』で、そして傑作ドキュメンタリー『オアシス:スーパーソニック』で、94年から96年にかけての絶頂期にオアシスを永遠に封じ込めようとしていた。時を止め、究極の普遍としてあの3年間に刻まれたオアシスは、今も昔も変わらず彼の大いなる誇りであり続けている。

しかし、彼自身はその中に囚われ続けるわけにはいかなかった。普遍よりも変化を、永遠よりもまだ見ぬ明日を求めて走り続けたいと願った、それがノエル・ギャラガーのソロ・キャリアが、かくも瑞々しくリアルな理由だ。UKロックを代表する天才は今、その贅沢な「途上」にいるのだ。( 粉川しの)



ノエル・ギャラガーの特集は、現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

祝、ソロ10周年!!  ノエル・ギャラガーに再びロッキング・オンがインタビュー。すべてをぶつけた総力取材で我らが兄貴の10年を徹底総括! - 『rockin'on』2021年7月号『rockin'on』2021年7月号

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