ボブ・ディラン、30年ぶりの配信コンサート開催――最新テクノロジーをも果敢に取り込んだ『ラフ&ロウディ・ウェイズ』発売後初ライブをもって、“ディランの20年代”が遂にスタート!

ボブ・ディラン、30年ぶりの配信コンサート開催――最新テクノロジーをも果敢に取り込んだ『ラフ&ロウディ・ウェイズ』発売後初ライブをもって、“ディランの20年代”が遂にスタート!

この5月にめでたく80歳の誕生日を迎えたボブ・ディランが、なんとライブ・ストリーミングを開催する!

「Shadow Kingdom」と題された、配信でのコンサートとしては30年ぶりとなる今回のパフォーマンスは、日本時間の7月19日午前6時に配信スタート、アーカイブ放送は7月21日午後3時59分まで視聴可能というスケジュールだ。視聴チケットは25ドルで、既に販売が開始されている。配信プラットフォームとなるVeepsは、Live Nationと提携してこれまでに多数のライブ・ストリーミング(ピート・ヨーンライヴァル・サンズetc.)を実施してきた。

日本から始まるはずだった2020年のツアーは、パンデミックの影響によりスケジュールされていた全公演が中止(チケットが泣いた)。ディランは1988年に「ネヴァー・エンディング・ツアー」をスタートさせたので、ツアーが行われない年というのはそれ以来では初めてのことになった。『ラフ&ロウディ・ウェイズ』発表後初となる今回のパフォーマンスは、彼のキャリアを広く見渡す選曲で、配信のために特別に練り上げられた内容になるという。

バンドには2019年から、ジョージ・リセリに代わってマット・チェンバレン(Dr)が、またスチュ・キンボールに代わってボブ・ブリット(G)が加わったが、今回はワンオフのライブ・ストリーミングということで、通常のツアー・メンバーによる編成とは異なったパフォーマンスが繰り広げられる可能性もある。ロバート・E・ハワードによる1929年のファンタジー小説『影の王国』を想起させる公演タイトルといい、ライブのコンセプトについても興味は尽きない。

この6月には、過去の映像作品5作の配信もスタートしており、現代の配信カルチャーと積極的に向き合おうとするディランの姿勢が窺える。何しろ、デビュー後の6つのディケイド(デビュー前も含めれば7つ)を潜り抜けてきたディランのライブ・キャリアは、今回の「Shadow Kingdom」をもって遂に2020年代へと踏み出そうとしているのである。「ライブ・ストリーミングなんて……」と思っている方も、この重要な機会を逃す手はないだろう。固唾をのんで、配信当日を心待ちにしたい。 (小池宏和)



ボブ・ディランの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

ボブ・ディラン、30年ぶりの配信コンサート開催――最新テクノロジーをも果敢に取り込んだ『ラフ&ロウディ・ウェイズ』発売後初ライブをもって、“ディランの20年代”が遂にスタート! - 『rockin'on』2021年8月号『rockin'on』2021年8月号

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