BRUCE SPRINGSTEEN & THE E STREET BAND / PYRAMID STAGE
この日のピラミッド・ステージの大トリにはついにあのブルース・スプリングスティーンが登場。のっけからジョー・ストラマーにトリビュートを捧げるという一幕から始まる重量級ライブとなった。
今回の出演は実はブルースにとって初のイギリスのフェス参加ということにもなり、この週末行われるさまざまなライブのなかでも最も期待される出番のひとつとなっていた。
ジョー・ストラマーの大ファンだというブルースがこの日の出番の幕開けとして選んだのが“コーマ・ガール”。これはジョーがメスカレロスと書いた曲で、グラストンベリー・フェスがインスピレーションともなった作品。02年の死までジョーはグラストンベリーの常連だった。
ステージに詰めかけた群衆の姿に感激した様子のブルースはこう観客に伝えた。
「雨の降らないグラストンベリーにこうして来られて本当に嬉しいよ! もう本当によく聞いてきたからね。何度もここの話は聞いてきた。けれども、俺は今見た! ここにEストリート・バンドとして厳粛に誓わせてもらう……この会場を徹底的にロックするぞ!」
そこからさらにブルースの説教調の語りは熱を帯び、盛り上がっていく。「いいかあ、俺たちはこの会場をロックしていくだけじゃないんだぞ! さらなる新しい会場を作っていくんだ。世の中の恐怖や恐れをみんなで取り払って、みんなで愛の会場を作っていくんだぞ!」
上気したブルースはライブの間中、ステージを所狭しと駆け巡り、前列のファンを機会あれば抱きしめ、リクエスト曲を書いたプラカードをファンからいちいち受け取っていた。セットは古くからの人気曲が多かったとはいえ、最新作『ワーキング・オン・ア・ドリーム』からの作品もかなり演奏していた。
この日、同郷ニュージャージー出身のガスライト・アンセムのステージにも飛び入り参加したブルースだが、ブルースはそのお返しにガスライト・アンセムのボーカルのブライアン・ファロンをステージに招待し、ふたりで“ノー・サレンダー”を熱唱した。
観客のなかには“ボーン・イン・ザ・USA”をリクエストする声がずっと聞こえたが、この曲だけは演奏されることはなかった。その代わりに、アンコールに戻ったブルースはアメリカの19世紀の作曲家フォスターの“ハード・タイムス”を歌い、そこから定番曲の“涙のサンダーロード”、そして“グローリー・デイズ”へと駆け抜けていった。
長大なライブとなったこの出番を締め括ったのは85年にイギリスでトップ5に輝いた“ダンシング・イン・ザ・ダーク”という渋い選曲になった。
セットリスト
'Coma Girl'
'Badlands'
'Prove It All Night'
'My Lucky Day'
'Outlaw Pete'
'Out In The Street'
'Working On A Dream'
'Seeds'
'Johnny 99'
'The Ghost Of Tom Joad'
'Raise Your Hand'
'Because The Night'
'No Surrender'
'Waiting On A Sunny Day'
'Promised Land'
'The River'
'Radio Nowhere'
'Lonesome Day'
'The Rising'
'Born To Run'
'Hard Times'
'Thunder Road'
'American Land'
'Glory Days/'Louie Louie'
'Dancing In The Dark'
(c) NME.COM / IPC Media 2008/2009
ブルース・スプリングスティーン、ジョー・ストラマーのトリビュートから開始
2009.06.28 22:20