ブラー、病を押してT In The Parkで「ラスト・ライブ」

T In The Park 2009の最終日7月12日、ブラーは病を押してライブを敢行した。デーモン・アルバーンはステージでこれがバンドの「ラスト・ライブ」になると話した。

ギターのグレアム・コクソンが体調を崩していたため、一時ブラーがヘッドライナーをキャンセルするかもしれないというアナウンスもあったが、グレアムはなんとか近くの病院からメイン・ステージに駆けつけた。到着したのは予定開始時刻より1時間半近く遅い22時15分。

ブラーの前に登場することになっていたスノウ・パトロールは、グレアムのためにそのセットを予定より1時間遅い20時に始めていた。

どうにかステージにこぎつけたブラーは大歓声で迎えられる。グレアムは片手を挙げて謝意を示し、デーモンは「ハイ」と一言。最初の曲は1990年のデビュー・シングル“シーズ・ソー・ハイ”。

「(参加できるか)危ないところだったよ」と曲が終わった後にデーモンは言う。「グレアムは文字通り病院からここまでまっすぐ来たんだ。でももう大丈夫。これが僕らのラスト・ライブだよ」

確かにこのライブは発表されている日程の最終日だが、この言葉が本当にブラーのラスト・ライブということなのか、それともロンドンのハイド・パークやグラストンベリーなどで公演を行った今回の夏のツアーの最後のライブという意味なのかは不明。

「次は新曲だよ」とグレアムが言って始められたのは、彼がボーカルをとる1999年のシングル“コーヒー&TV”の別アレンジ。新生ブラー初の新曲かと一瞬沸いたオーディエンスは肩透かしを食らった。

“テンダー”では大合唱が始まり、1995年のナンバー1シングル“カントリー・ハウス”では、イントロが始まった瞬間にオーディエンスから歓声が起こる。

「今みたいなやつもう1曲聴きたい?」とデーモンは観客に訊ねる。「オーケー」と言って次に披露されたのは1994年のアルバムのタイトル曲“パークライフ”。この夜は登場しなかった俳優のフィル・ダニエルズによるパートはデーモンが自らこなした。

「サンキュー!」と彼は曲の後で叫ぶ。「今みたいなやつ…もう1曲聴きたい?」と言うとバンドはゆっくりとしたジャムを始め、そこから1997年のヒット曲“ソング2”に入っていく。グレアムのあの有名なギター・リフが始まった瞬間、会場は興奮のるつぼと化した。

「今までで一番良かったな、今の」と曲が終わってからデーモンは言い、続いてファンに人気の高い“ディス・イズ・ア・ロウ”へ。いったんステージを降りたブラーはすぐに戻ってアンコールの“アドバート”を開始。デーモンはこの曲でラウドスピーカーを使った。

その後デーモンが「もっとメロディックなやつを」と言って始められた“フォー・トゥモロウ”、そして曲中で彼が客席に突っ込んでいき、最前列の観客と握手して回った壮大な演奏の“ザ・ユニヴァーサル”で、時間の都合で短めに切り上げられた15曲のライブは終わった。

「僕らをサポートしてくれた人たち、ハート&ソウルをくれた人たちみんなに感謝する」とデーモンは言い、T In The Park 2009の幕を下ろした。

セットリスト
1.She's So High
2.Girls And Boys
3.Tracy Jacks
4.There's No Other Way
5.Beetlebum
6.Out Of Time
7.Coffee And TV
8.Tender
9.Country House
10.Parklife
11.Song 2
12.This Is A Low
13.Advert
14.For Tomorrow
15.The Universal

(c) NME.COM / IPC Media 2008/2009
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