フィッシュのライブが3D映画に

グレイトフル・デッド以来の驚異のジャム・セッション・バンドとして有名なフィッシュ。09年に再結成してから、ツアーを順次増やしつつ、9月には新作をリリース、その翌月の10月には3日間自分たちがひたすら演奏しまくるという「自分たちフェス」まで開催したのは記憶に新しいところ。

コーチェラ・フェスの会場としても有名なカリフォルニアのインディオで開催されたその「フェスティヴァル8」では、フィッシュにとって初のフル・アコースティック・ライブが行われたり、さらにはローリング・ストーンズの『メインストリートのならず者』カバー・ライブなどまで行われたわけだが、そんなフェスティヴァル8の様子をフィッシュは、ファンの様子からみんながキメるマリファナの煙まで収録した『PHISH3D』という2時間越えの3D映画にしてしまったというのだから驚き。

ローリング・ストーンによると、4月20日にニューヨークで行われ、完売になった先行上映会ではフィッシュのライブ同様にファンが殺到し、サイリュームを投げまわしては風船を会場内でトスし合ったり、“トゥウィーザー”などの人気の高い曲になると全員が椅子から立ち上がって大シンガロング大会になるという、ライブに負けない騒ぎっぷり。シカゴ、デンバー、ボストンなどほかの大都市での先行上映会もすべて数週間前に完売だそう。アメリカでの一般公開は4月30日から。

今回の作品で映像を担当したのはアクション3Dプロダクションズという3D専門の制作会社で、実はこれまでもロラパルーザなどのフェスの3D収録を手掛けてきた会社だというのだが、カメラを14台も回して計198時間にも及ぶ映像を撮って、そこから編集していったのだとか。「これまでの3D作品というのは屋外を舞台にはしてきていないからね」とプロデューサーのウェイン・ミラーは語る。「3Dとフィッシュの特殊な照明効果とをどう折り合わせるかが課題だったけど、フィッシュのライブっていうのは照明が命っていうところあるから頑張ったよ」。

最終的に、演奏については17時間にも及ぶ映像を撮影チームは収録したというが、その大半が結局は使われていないことになるわけだ。ほかにも面白い映像もいろいろあったがそれもバンドが「ライブ本編にあくまでもこだわったから」使われていないとミラーは説明する。つまり、素材となる映像はまだまだたくさん残っているため、さらなる劇場公開作品やDVD制作も考えられるとミラーは語った。「まあ、すべてはバンド次第だけどね」。
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