自身で切り回しているサード・マン・レコードで限りなくアーティスト本位なレーベル運営を貫いているジャック・ホワイトだが、一部のレコードをネット・オークションのe-Bayに出品していることからファンから批判が上がり、ジャック自身との論争を巻き起こしている。
サード・マン・レコードでは基本的にホームページを通したオンライン販売のみを行っているが、これまで一部のレコードに関してはe-Bayにも出品し、ほとんどの場合、通常の販売価格を上回る価格で落札されている。しかし、これについてレーベルの頒布会ヴォルト・クラブの会員から、ファンを搾取しているのではないかというクレームがホームページの掲示板に書き込まれ、論争が始まっている。
ジャックは限定盤リリースをネット・オークションに出品することで「ファンがほしがっているものを提供しているだけだ」と反論しているとアンチクワイエットは伝えている。「ネット・オークションの転売で生計を立てているようなやつの稼ぎになるような大規模なビジネスを仕掛けているわけじゃないんだからね」。
さらに掲示板にはこんな書き込みもあったとか。「これは俺たちヴォルト会員をバカにしているわけ? 一体どんなものが送られてくるものかと思って走って帰ってきたのに、中身がほんとにこれ? これってただのゴミじゃん。会員料金を払って、返ってくるのは特にたいしたことのないものばかりだぜ」。
これに対してジャックはこう反論している。「特にたいしたことのないものばかりしか送ってもらってないと? それは違うと思います。きみが受け取っているレコードはヴォルト会員にのみ頒布するために特別に制作されている作品だからです」。
さらに「ファンを搾取している」という意見には「これがファンからの搾取だと? 本当にそう思ってるの?」と言い返している。「じゃあ、ほしくないんだったら、買うな。自分から買ったくせに、ほしくなかったような振りをするな。そういうことだったら、普通のファンと同じように行列したり、レコード店漁りをやるべきだよ。俺たちがレコードをヴェトナム戦争中の防空壕トンネルにでも埋めて、そこからあんたらに探させてるような言い方をするけれども、ラッキーな人だったら、通販で気に入ったレコードを買えることもあるし、ラッキーだったらレコード店で探し当てることもあるし、ラッキーだったらきみの地元にもそんなレコードがあるかもしれない。でも、なかなかみつからない希少なレコードを保証されているのは誰だと思う? 年4回レコードの頒布があるヴォルト会員だけだよ? 2回に1回は相当にツイているというレコードが届けられていると思うけど」。
さらにジャックは文句を言っているファンには「ほしいと思っているほかのファンに譲るためにもレコードを返送してほしい」とまで語っている。
さらにジャックはこうつけ加えている。「自分から要求したものを受け取ったからといって、サード・マン・レコードを非難するのはやめてほしい。それとこの掲示板で泣き言ばかり書き込むのもマジでやめろ。というのは、こっちが苦労してやっていることすべてについて絶対に満足しないということしか、あんたらはここで書いていないからだ」。
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