2005年の『エリザベスタウン』以来、新作を発表していない映画監督のキャメロン・クロウだが、ここにきて一気に3本もの映像作品を仕上げていて、そのうち2本は音楽ドキュメンタリーものであることが明らかになっている。
3本のうちの1本はマット・デイモンを主役に据えた通常の劇場向け作品の『We Bought a Zoo』で、マットが購入した動物園をなんとかして一家で経営するビジネスにできないかと奮闘する物語だとか。そして、残り2本のひとつは、エルトン・ジョンとレオン・ラッセルが昨年11月にリリースしたコラボレーション・アルバム『ザ・ユニオン』のメイキング・ドキュメンタリーとなる『The Union』。こちらはエルトンとレオンが一緒にレコーディングを始めたその第1日目からカメラを入れて収録をずっと行った内容のドキュメンタリーになっている。
その一方でもうひとつの音楽ものは『Pearl Jam Twenty』といって、これはパール・ジャムのデビュー20周年を記念して製作された作品。こちらは『The Union』とはまったく対照的に20年分の映像がどっさりクロウ監督に託され、そこから物語を紡ぎ出してほしいとバンド側から要請されたとか。そこにさらにクロウ監督がここ1年半の間に撮った新しい映像も加えたものになっているという。
「過去からの最良の手土産っていう内容になってるんだ」とクロウ監督は『Pearl Jam Twenty』についてローリング・ストーン誌に説明している。「あるとは聞いていたけど実際には観たことがなかった伝説的な映像とか、インタビューとかも収録してるんだよ。パール・ジャムにとっての『ザ・キッズ・アー・オールライト』をどうやって作って、しかも音的にも最良の素材をぶちかますかっていう内容なんだ」と語っている。
ここにきての精力的な活動ぶりをクロウ監督は「スコセッシ・モードでやってるんだよ」と語っていて、マーティン・スコセッシがアカデミー賞に輝いた『ディパーテッド』の製作と同時進行でボブ・ディランのドキュメンタリー『ノー・ディレクション・ホーム』を製作した姿を倣ったとか。「ある週には平日にある作品を撮って、その週末には別な作品の編集をやるっていう具合でね」とクロウ監督は説明する。
公開時期について、『Pearl Jam Twenty』は9月、『We Bought a Zoo』は12月を予定していて、そして、現在ニューヨークで開催されているトライベッカ映画祭に出品された『The Union』は配給元を今物色しているとか。
エルトンとレオン、そしてパール・ジャムという対照的なプロジェクトについてクロウ監督はこう語っている。「エルトンにとってカメラはもう仲間みたいなものだからね。だけど、パール・ジャムはそうやって内幕をさらけ出すタイプじゃないし、だから、そこがチャレンジだし、楽しいところなんだよね」。