モリッシー、ラジオ・インタビューでの不敬発言や司会者いじめなどを釈明

モリッシー、ラジオ・インタビューでの不敬発言や司会者いじめなどを釈明 - 2009年作 『イヤーズ・オブ・リフューザル』2009年作 『イヤーズ・オブ・リフューザル』

先頃、BBCのラジオ生中継インタビューで「イギリス王室はただの税金泥棒であって、ほかのなにものでもない」と断言したモリッシーだが、その数日後には人気オーディション番組『X・ファクター』の司会者としても有名なダーモット・オリアリーのラジオ番組にも出演してはなにひとつまともな受け応えをしないという、ほとんど電波上でのいじめに近い荒行をやってのけたとか。

さすがにちょっと度が過ぎたと反省したのかモリッシーはその後、声明を発表し、まるまる1週間にわたって「ロイヤル・ドレディング(王室のおぞましい行事)」に付き合わされて気が立ってしまっていたのだと説明している。

さらに声明でモリッシーはこうロイヤル・ウェディング現象について皮肉っている。「ロイヤル・ドレディングの週の間、ポリー・スタイリンがこの世を去りました。イギリスのアートとサウンドに、それもたくさんの人たちが彼女のような表現を求めていたまさにそんな時期に計り知れない貢献を果たしたというにもかかわらず、ポリー・スタイリンの死はイギリスのテレビのニュース・メディアからは完全に黙殺され、その代わりに、ケイト・ミドルトンという個人的なところではなにも知られていないという人物をほめそやす文句を涙ながらに訴える内容が何時間も何時間も垂れ流されました。ここで言わんとしているところは明らかです。つまり、人が人生のなかで達成することは、人が生まれ落ちた地位に較べればまったく意味がないということです。ここはシリアか?」

さらに4月にリリースされた『The Very Best of Morrissey』のリリースの段取りの悪さについてモリッシーはこう嘆いている。「こうした狂騒劇を吹き飛ばしてしまうのが、『The Very Best of Morrissey』がいまだに、ぼくたち年長者が一般にレコード店と呼ぶ店舗へ、リリースから6日経っても入荷されていないという事実です。伽藍堂のようなHMVにまだ在庫が届いておらず、シングル“Glamorous glue”にしてもリリース日から4日経ってようやく入荷するというありさまでした。実際問題として“Glamorous glue”のCDシングルにいたっては結局、HMVには一枚も入荷されなかったという体たらくです。こうして『The Very Best of Morrissey』はぼくにとって、初のチャート・インを果たさなかった作品となりました。この事実をぼくは耐え忍ぼうと思いますし、EMIの落ち度についての所見を述べるほどの意地の悪さをぼくは持ち合わせていません。ジョン・レノンもかつてEMIについて“Every Mistake Imaginable(考えう限りのすべての過ち)”と言ってみせていますから、ぼくはあえてここでそれを繰り返そうとは思いません」。

ちなみにこの声明文によると、モリッシーは『イヤーズ・オブ・リフューザル』以来となる新作をすでに完成させているが、まだレコード契約にありついていないとか。ただ「ぼくの才能はDIYにはまったく向いていない」とも宣言しているので、自分で出してしまうというプランはとりあえずなさそうだ。いずれにしても6月のツアーは完売し、本人的にはいたって機嫌がよろしいとのことだ。

ちなみにイギリスではかなり話題になったというダーモット・オリアリーのモリッシーへのインタビューではこんなやりとりもあったとか。あまりにも投げやりな返事ばかりされて、「どうしてこういう嘘ばっかりついているんですか?」と訊くオリアリーにモリッシーはこう語ったとか。「きみが自分で災いを招いているんだよ。ダーモット、ほんとだよ。きみの顔つきにはとても不思議なものがあって、『ぼくに嘘をついてください』って顔に書いてあるんだよ」。生中継としてはかなりの修羅場であったことは想像に難くない。
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