今年のロンドン・オリンピック開幕式典でライヴ・パフォーマンスを行なったポール・マッカートニーは"ヘイ・ジュード"の演奏でミスをしたことを認めている。
このパフォーマンスは式典全体の締めとなり、ザ・ビートルズの"ジ・エンド"から"ヘイ・ジュード"への演奏をポールが担当したが、この"ヘイ・ジュード"がバック・トラックとバンド演奏とポールの歌とがまるでバラバラになってしまい、ポールがヘマったと大きな話題を呼ぶことになった。
ポールはこの時の真相について、"ヘイ・ジュード"の演奏直前に巨大な鐘が鳴るという一幕があって、それで調子を狂わせたと明らかにしたことをTMZが伝えている。
「あの式典ではサウンドのトラブルがあってね。一応、すべてがうまく行かなくなった時に備えてバック・トラックをレコーディングしていたんだけど、でも、『ライヴでやりたい』ってぼくが言い張ったんだよね」
「ただ、ぼくがキュー(合図)を待つのを忘れちゃったんだよ」
「どうてしかって? それは演出でぼくたちも知らなかった巨大な鐘の音が用意されていたからなんだ。50トンもある鐘だよ。もう耳が潰れそうになっちゃったね。この鐘の音程ってなんだろうってみんなで聴き取ろうとしたけど、人智を越えたような音でさ」
「曲はFのコードで始まらなきゃいけないから、ぼくも『♪ブン、ブン、ブン、F、F、F』って用意してたわけ。ライヴでやる予定で、みんな会場に詰めかけていて、世界が待っていたところへ、この巨大な鐘が鳴りだしたわけだよ」
「それで合図を待ってなきゃいけなかったのを忘れちゃって『♪ヘイ・ジュード~』ってぼくが歌い出したんだね。そこへ係りの人が再生音源も回して、だから、バック・トラックのぼくが歌っていて、生のぼくも歌ってるっていう、ふたりで歌ってる状態になっちゃったんだよ」
この大失態にさすがのポールもうろたえたというが、もうどうしようもなかったと『NME』に語っている。
「ドラマーも完全にヒステリー状態に陥ってるから、ぼくとも目を合わせようとしてくれなくてね。『なんてことをしでかしちゃったんだ』と思ったけど、もう止めようがなかったんだよ。オリンピックだからね」
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