ムックが、昨夜12月9日(日)に東京・Zepp DiverCityにてツアー「MUCC Tour 2012 "Shangri-La"」のファイナル公演を行なった。
以下、当日のライヴレポートになる。
このツアーは11月28日(水)にリリースされたアルバム『シャングリラ』を引っ提げて、12月1日(土)のZepp Nambaからスタートしたもの。メンバーは口々に「楽しい」と言っていたが、まさにムック史上最もその言葉が似合うライヴだった。
フォーク、ヘヴィロック、エレクトロ……好奇心旺盛な彼らが挑戦し続けてきたジャンルが、血肉となったかのように自然に鳴らされていた『シャングリラ』。セットリストには、その全曲と、近年の彼らを象徴するダンスナンバー“フォーリングダウン”や、超初期曲“オルゴォル”などが組み込まれていたが、ヴァラエティに富みながらも違和感のない流れになっていた。特に、フロアにタオルがクルクルと回った“風と太陽”や、スウィートなウェディング・ソング“Marry You”のような、突き抜けて明るい楽曲も空間に溶け合っていたことは、とても新鮮だった。オーディエンスも、楽曲に関わらず、いつの時代からのリスナーも、年齢も男女も関係なく熱狂し、2階は何かのアトラクション!?と思うくらい揺れ続けた。
一体感がピークを迎えたのは、“YOU&I”と“蘭鋳”という、新旧に振れた楽曲を続けた場面。オーディエンスのシンガロングも含めて、一人一人が主役になれるフレーズがある“YOU&I”。逹瑯(Vo)の「私は昨日のライヴで、Zepp TOKYOがNightmareだと言いました……仙台貨物でした……死ななければいけないと思いました……君たちを道連れに死にます」という懺悔(!!)も飛び出した文字通りのキラーチューン“蘭鋳”。明と暗の違いはあれど、全員で結託するようなワクワク感という、彼らのライヴにおける一つの醍醐味が表れていた。そして、その後の本編ラストナンバー“シャングリラ”が、命を振り絞るような歌で、また壮絶に響いた。
素晴らしいライヴだったが、逹瑯は『シャングリラ』を「末恐ろし過ぎるアルバム」と言っていた。確かに、これからライヴももっともっと進化すると思う。ムックは年明けから、2月1日(金)の恵比寿リキッドルームを皮切りに、全国ツアー「MUCC Tour 2013 "Shangri-La"」を開催。ファイナルは、3月30日(土)・31日(日)の東京・NHKホール2daysとなる。