メタリカ、テロリスト拷問用にメタリカの音源を使うなと米軍に申し入れていたと特殊部隊員が語る
2013.02.13 21:00
アメリカ軍の特殊部隊の隊員がイラクでテロリスト尋問の時にメタリカの音楽が使われていることにメタリカが音源の使用をやめるようにと軍にクレームをつけていたことを明らかにしている。
隊員は同時多発テロ事件の主犯オサマ・ビン・ラディン殺害を2011年に実行したアメリカ海軍の特殊部隊SEALsのひとりで、『エスクワイア』誌に次のように語っている。
「イラクで戦争を始めた当初は、テロリストなどの尋問を行う前にまずはメタリカをたっぷり聴かせて弱らせてたんだよね。そのうちこのことがメタリカの耳に入って、『俺たちの音楽を使うのはやめてくれ、俺たちは暴力を促しているわけじゃないから』って言ってきたんだよ。俺としては、なに寝言言ってんだよ、クソボケ、おまえら『キル・エム・オール』(全員ぶっ殺せ)なんて作品まで作ってんじゃねえかって思ったね」
しかし、軍はメタリカのクレームを聞き入れてメタリカの使用はやめ、その後クリスチャン系メタル・バンド、ディーモン・ハンターの音を使うようになったと問題の隊員は語っている。
「それからディーモン・ハンターというバンドと連絡が取れて『軍でやっていることを全面的に支援します』って言ってくれてね、CDやワッペンを送ってくれたんだよ。だから、俺は作戦行動の度にいつもディーモン・ハンターのワッペンを身に着けてたよ。ビン・ラディンを殺害した時にもつけてたからね」
なお、メタリカの音楽はグアンタナモベイ海軍基地でテロ関係者と思しき捕虜を心理的に疲弊させるために無理矢理聴かせる音源として使われていて、2008年にジェイムス・ヘットフィールドは次のように語っていたという。
「メタリカを選んでもらえたということで俺の中に誇りに思う部分もあるし、ただ、このせいで俺たちがなにか政治的なメッセージを持っていると勘違いされると困るなって当惑する部分もあるんだよね。俺たちの音源が使われていることについて俺たちはなにも関わっていないし、俺たちはできるだけ政治とは関わらないようにしてるんだ。というのも、政治と音楽は、このバンドについては、両立しないものだと俺は思ってるからなんだよ」
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