5月22日(水)に待望の新作『ランダム・アクセス・メモリーズ』をリリースするダフト・パンクだが、トーマ・バンガルテルは、今回なぜ生のレコーディングにこだわったのかを『ビルボード』誌に語っている。
「アイディアはね、ライヴ・ドラムを使ってみたいというもので、それとサンプリングにはなぜマジックが息づいていて、その実体はなんなのかっていうことだったんだ。過去20年、プロデューサーやミュージシャンがこうしたスニペットをアナログ盤から抽出してきたのはなぜなのか。そこにはどんなマジックが含まれていたのかってことなんだよ」
「そこでこう思ったわけだよ、『だったら、プロデュースとパフォーマンスの観点から立って、これだけのレべルのプロデュースと職人芸を含んだレコードを作れるかどうか、そしてそんなレコードをプロデュースしていけるほどの器量が今のカルチャーにあるのかどうか、見極めてみようよ』ってね。だから、ある種の環境を再現しようとしたのは確かだし、そのためにあの黄金期を再現しようとする特選チームを編成し、ああいうマジックが本当に起きていた時代に戻ってみようと思ってみたわけなんだよ。ぼくたちとしては本当にスタジオの壁だってなにかを語るものだと思ってるし、それと同時にマジカルなことが起きる場所は本当にあるとも思ってるんだ」
また、新作の趣旨については次のように説明している。
「今の音楽に対する判断だとか批判だとか、そういうものじゃないんだよ。むしろ、まったく違う視点やオルタナティヴを提供しようとするものなんだ。だから、問いかけなんだよ。映画が作られているような発想で音楽について考えることはまだ可能なのだろうかというね。音楽もかつてはチームワークだったからね。それって今も可能なんだろうかっていう。そういうものに対するオーディエンスやマーケットというのはまだあるんだろうかっていうね。ぼくたちだってプロデューサーである前にミュージシャンであるわけだし、作曲家でもあるわけだよね。ぼくたちにこのプロジェクトを形にする能力があるのだとしたら、それを形にしてみたいという夢があるんだよ」