ダフト・パンク、「ポップ・ミュージックは薄気味悪い時代に突入している」と語る

ダフト・パンク、「ポップ・ミュージックは薄気味悪い時代に突入している」と語る

5月22日(水)に新作『ランダム・アクセス・メモリーズ』をリリースするダフト・パンクはヴォーカルのピッチなどを加工するオート・チューンの流行について、満足のいかないヴォーカルの補修に使うのは非人間的な感じがすると批判している。

トーマ・バンガルテルは『NME』の取材に対して次のように語っている。

「ポップ・ミュージックは今や薄気味悪い時代に突入しているよ。たとえば、オート・チューンがいい例だよね。エフェクトとしてのオート・チューンはすごく楽しいものだと思うよ。ぼくたちとしてはギターのワウワウと同じジャンルのエフェクターだと考えてるんだ。聴いてて気持ちいいし、ファンキィな要素を生み出すんだよね。スティーヴィー・ワンダーの"迷信"のクラヴィネット・キーボードのようにね」

「でも、オート・チューンにはそれとわからない巧妙な使い方もあって、それはパフォーマーの声にオート・チューンがかかっているとわからないように効果をかけていくことなんだ。そうすることで声は『完璧』になるわけだね。わずかな狂いを修正するのにオート・チューンを使うとなると、なんか非人間的なものを作り出すことになるんだよ」

「たとえば、『トミー』のロジャー・ダルトリーのヴォーカルをわざわざオート・チューンで修正したくなったりする? あるいはサイモン・アンド・ガーファンクルとか。そういうことをやり始めると楽しいエフェクトじゃなくなり始めて、怖いSF映画に登場するクローン人間みたいになり始めるんだよ」

また、新作にはザ・ストロークスのジュリアン・カサブランカスが参加しているが、もともとダフト・パンクとしてはエレクトロ・ダンス・ユニットとなる前にはザ・ストロークスのようなロック・バンドをやろうとしていたことも明らかにしている。

「今のロック・バンドではザ・ストロークスが一番好きかもしれないな。アティテュードっていう意味ではジュリアンのやってることは正しすぎるよね。ぼくたちも17歳くらいの頃にはロック・バンドをやってて、ザ・ストロークスのファースト・シングルを初めて聴いた時には『ぼくたちが夢に思い描いてたのはこういうバンドだったんだよな』って思ったもんだよ」

なお、ダフト・パンクは新作ではヴォーカル・トラックにエフェクトを加工していくオート・チューンに代わって、ヴォーカルに直接エフェクトをかけていくヴォコーダーをあえて使用しているという。

(c) NME.COM / IPC Media 2013
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