6月5日にイギリスで公開されるザ・ストーン・ローゼズのドキュメンタリー映画『Made of Stone』だが、『THIS IS ENGLAND』で有名な映画監督のシェイン・メドウズは、今回のドキュメンタリーでバンドの過去の汚点などをあえて掘り返さなかったと自身の抱負を語っている。
BBCの取材に答えてメドウズ監督は今回のドキュメンタリーでは過去を振り返るのではなくて、再結成に焦点を当てたかったと次のように説明している。
「僕たちが一番やりたくなかったのはドキュメンタリーのよくあるパターンのやつで、スタジオのコンソール卓やギターが並んだラックを背景にして誰かが延々と喋っていくというやつでね。多くのドキュメンタリーは過去のあら探しをするもんだし、そういう話題を探しているものなんだ。でも、この作品は今回の再結成を祝福するもので、僕はそのことだけにかかりっきりになったんだ。過去のあら探しをしたいんだったら、他にもそういうドキュメンタリーは何万と世の中に溢れてるから、そっちを探してくれという話だよ。この作品は祝福なんだ、だから、バンドが還って来たというのと同じくらいにファンについての作品でもあるんだよ」
たとえば解散や脱退の真相など、バンドの過去を避けるということはある意味で安直すぎやしないかという問いには次のようにメドウズ監督は答えている。
「僕はね、人の過去のあら探しをすることにはまったく興味がないんだ。そうでなくても、今僕たちが住んでいる社会は、人々がなんでもかんでも好きな時に手に入れて、消化して、結構時間をおかずに飽きちゃって吐き捨てるのが普通になっている社会なんだよ。だから、関心のあることがすべて揃わないこともひとつの美徳となるんだよ」
メドウズは今回のドキュメンタリーのアプローチについては、昨年バンドがアムステルダムで内輪もめを起こした時にも意図的にカメラを回さなかったと、その意図を説明している。事件は昨年の6月12日のアムステルダム公演で起きたが、レニがさっさと演奏をやめてステージを降りてしまったため、演奏が続けられなくなったとしてイアン・ブラウンは観客に詫びながらレニのことを「まんこ野郎」と呼んだ。この時の楽屋裏の様子の撮影をメドウズ監督はあえてしなかったと語っていて、メタリカのドキュメンタリー『メタリカ:真実の瞬間』のような内幕暴露ものを作りたいわけではないからだと次のように説明していた。
「あの騒動が起きた時ね、僕は本当に文字通り気分が悪くなったんだ。本当に嫌だった。だから、大概の映画作家とはまったく逆のアプローチを取ったんだよ。すべてのカメラの電源を消し、撮影スタッフを全員ひとつの部屋に集め、ここから出て行った奴はその場でクビだと言い渡したんだ。こういう現場はロック・ファンならもう見飽きているほどに見てきているわけだから。あのメタリカの傑作ドキュメンタリー(『メタリカ:真実の瞬間』)もそうだし、僕もバンドが全員で精神カウンセリングを受けるところは大好きなんだけど、これはもう使い古された陳腐な切り口かなと思ってね。僕は自分が一番好きなバンドの再生を見届けるためにこの映画を作ってたんだ。アメリカの大統領の揚げ足を取るマイケル・ムーアとはちょっと意味合いが違ってたんだよ」
『Made of Stone』はバンドの再結成をその初期の段階から昨年のヒートン・パークでのライヴまでを追っていて、イギリスでは6月5日に劇場公開されるが、5月30日にはマンチェスターでプレミア上映され、その模様はイギリスの100か所の映画館に同時に衛星中継された。
なお、ザ・ストーン・ローゼズは6月にロンドンでの公演とグラスゴー公演や、今夏のソニックマニアとサマーソニック出演のため、来日することが決定している。ロンドン公演での前座はジョニー・マー、ルディメンタル、ディジー・ラスカル、パブリック・イメージ・リミテッド、グラスゴーでの前座はプライマル・スクリーム、ジェイク・バグ、ザ・ヴューを予定している。
『Made of Stone』の予告編はこちらから→
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