レッド・ツェッペリンのロバート・プラントは2012年以来、活動を共にしているセンセイショナル・スペース・シフターズについて『L・A・ウィークリー』誌に語っている。
ロバートは2007年のロンドンでのレッド・ツェッペリン再結成公演の後、ツェッペリン再結成ツアーを蹴ってカントリーやフォークを追求したアリソン・クラウスとのデュエット・ユニットとして活動し、10年からはアメリカーナを題材にしたバンド、バンド・オブ・ジョイを結成。その後のバンド・オブ・ジョイの自然解消と共に、07年まで率いていたストレンジ・センセイションズのメンバーを招集し、バンド名を改めてセンセイショナル・スペース・シフターズとして活動していて、今年の夏もフェスティヴァル出演などを控えている。
ここ数年、大勢の男性や女性ミュージシャンに囲まれて活動してきて学習することが多かったと語るロバートはバンド・オブ・ジョイが終わった時点でロバートはそれまでアメリカーナやアメリカ音楽と密接な音を追求してきたので、もっと「イギリス的な状況」に通じたものをまたやりたくなったと語っていて、そこでストレンジ・センセイションズの面々とまた活動を再開することを決めたという。
ストレンジ・センセイションズことセンセイショナル・スペース・シフターズはロックやブルースに独特なエスニック感を加えたロバートのバンドとして知られているが、このバンドと一緒だとここ数年のプロジェクトと違って自身のヴォーカルにまた活力をもたらしてくれるとロバートは説明していて「またRP(ロバート・プラント)としてのあのヴォーカルをたたきつけられるようになってきたよ」と語っている。
また、バンドのメンバーはポーティスヘッドのツアー・メンバーであったり、ダブの影響を強く汲んでいたりするメンバーが多く、ブリストル・シーンやトリップホップ・シーンに近い音楽性も誇っていて、その音から受けるインスピレーションについてロバートは次のように語っている。
「なんかね、テクノ的にインスピレーションを受けるところがこのバンドの音にはあるんだよ。テクノ的要素やサンプリングや、どデカいドラム・ループとかにただ痺れるっていうか。これまで僕がやってきたことと較べてあまりにも対照的なんだけど、でも、どちらも音楽的な探求としては喜びを伴うものなんだよ」
なお、音楽活動を続けていく動機を保っていくうえで、ロバートはレッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズをお手本にしているとジョン・ポールをほめちぎっている。現在オペラを作曲中のジョン・ポールが同時にゼム・クルックド・ヴァルチャーズの一員として活動し、さらにブルース・ミュージシャンのシーシック・スティーヴのためにマンドリン演奏も務めていることを挙げて、こうした多様な活動を続けるジョン・ポールを心から尊敬し、参考にさせてもらっていると語っている。
なお、ロバートは今年の2月に2014年ならなんの予定もないのでレッド・ツェッペリンのツアーも可能だと一方的なラヴ・コールを発したが、ジョン・ポール・ジョーンズは自分はオペラの仕事で2014年まですでに埋まってしまっていると再結成の可能性を訝しんでいる。