ポーランドで開催されたオープナー・フェスティヴァルに出演したザ・ナショナルは『NME』の動画インタヴューに応えて、バンド運営の危なっかしさやバンドの政治への関わりについて語っている。
毎年空軍施設で行われ、ヨーロッパの優れたロック・フェスティヴァルとして何度か受賞もしているオープナー・フェスだが、マット・バーニンガーとアーロン・デスナーは第二次世界大戦中にドイツ軍が建設した掩体壕という飛行機の格納施設だとアーロンが説明する建物の前で取材を受けている。この日のヘッドライナーはクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジだが、出番としてはザ・ナショナルがそれに続くという出演順について、「ま、やんわりとみんなをがっかりさせるから」とマットは冗談を飛ばしている。
今年のヘッドライナーにはブラー、アークティック・モンキーズ、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、キングス・オブ・レオンが迎えられているが、それぞれについてコメントを求められると、アーロンは、クイーンズは今ちょうど過渡期にある感じだと印象を述べてから、ブラーはぜひ観てみたいと語った。その一方でバンドとして長続きする秘訣を問われると、マットは次のように答えている。
「バンドっていうのはいろんなフェーズを辿るもんで、僕たちもまたいろんなフェーズを辿って現在に至っているんだよ。バンドっていうと、いろいろあるイメージでも、やっぱり固い絆で結ばれているイメージが強いと思うし、『ハード・デイズ・ナイト』のビートルズのようなものをみんな思い浮かべるものだと思うんだよね。でも、バンドには危なっかしい側面もあって、大人が何人も集まって一緒にアートを作ろうとしてるわけで、そうやって全員一緒にバスの中で生活したりもするわけだよね。それを考えるとね、バンドがよく空中分解して解散して憎み合って、でも時間が経つとまた再結成してみたくなるというのは、わかりやすい話なんだよね。だから、やっぱりバンドは家族みたいなものなんだよ」
なお、バンドは予定していたトルコのイスタンブール公演が反政府デモの影響でトルコ政府の措置により中止になったことを明かしているが、バンドがアメリカでは特にオバマ大統領の選挙キャンペーンに深く関わってきた事情についてアーロンは次のように説明している。
「やっぱり大統領選のキャンペーンや社会問題に関連したプロジェクトに関わったりするようになったのは、自分たちはあまりにも無力だと感じたからで、バンドを政治に利用するとか、政治的な曲を書くとか、そういうこととは違う動機からだったんだ。僕たちの曲に政治性があったとしても大抵はその作品の背景としてあるくらいだから。ただ、ジョージ・W・ブッシュ政権時代のアメリカを生きて、その間、民主党の主張する政策のために何もやれなかったということになると、たとえこの二大政党制についてなんの関心も持てなかったとしても、そこで何もやらなかったということは自分の子供たちの将来についてまで放棄してしまうような、そんな感じがしたんだよ。それで関わることになったんだけど」
その一方でマットは次のように語っている。
「アーティストだからってそういうことをやる責任はないんだよ。僕たちがやったのは5人が全員たまたまリベラルで、子供も育ててるし、それで強くやった方がいいと思えたからなんだけど、別にやるべき責任があったわけじゃないし、自分たちが信じているものをちょっとだけ手助けするにはいい機会になるのかなと思ったんだよ。だからってそれをやって本当に有効なのかどうかは僕にもわからないよ。たとえば、プロテスト・ソングがきちんとみんなに伝わることになってたら、アメリカという社会も現在よりは全然進歩的な社会になっていたはずだと思うんだよ。しかも、アメリカはウディ・ガスリー、ボブ・ディラン、ジョーン・バエズと、傑出したプロテスト・シンガーや政治的なアーティストを輩出してきているのに、それでもまだ30年くらい社会はあるべき姿よりは遅れている感じだよね。だから、ほんとにそれでうまくいくのかどうかもわからないよ。ただ、僕たちとしては、せめて若い子たちに投票はしてほしいという気持ちからやってるんだよ。そういう曲を書くということでは全然なくてね」
ザ・ナショナルの動画インタヴューはこちらから→
http://www.nme.com/nme-video/the-national-on-us-politics-protests-songs--playing-opener/2535082582001