レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロはバンドの今後について「わからない」と『NME』に語っていて、現在ツアーの予定などはないが、レイジの音楽は今もブラジルやトルコのデモで大きな役割を負っているとトムは説明している。
バンドの今後について訊かれるとトムは次のように語っている。
「何も状況は変わってないよ。僕に言えることは僕たちが作ってきた音楽はサンパウロやイスタンブールで起きていることについてもあまりにも有効で、同時代的なものとして響いているということなんだよ。人々が自分たちの権利に立ち上がる時、いつもレイジの音楽がPAシステムで鳴らされて、街頭でも鳴ることになるんだ。そうした意味では、バンドは今も生きているし、元気なんだよ。でも、僕たちが今後もライヴをやるかどうかは……今もわからないんだ」
ブラジルでのデモは2016年ワールド・カップ開催に向けた費用の負担が国民に重くのしかかっているとして発生し、トルコで起きたエルドアン政権への反対デモはここ10年で最大級のものとなっていて、犠牲者5名と数千人単位の負傷者を出している。デモはエルドアン政権が権威主義的になりつつあって世俗国家であるトルコに伝統的なイスラム主義政策を持ち込み始めていることへの反感から起きたとされている。
また、トムは昨年末の時点でレイジとしての新作制作の予定はないと次のように語っていた。
「バンドがアルバムを作る時、それは全員が作りたがっているから作るんであって、今のレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンではそういう状況にはなっていないんだ。メンバーの仲はすごくうまくいってるし、お互いのことを友人として、また同志として考えているけど、でも、まだ準備ができていないと考える人たちもいるんだね。僕には自分の1日で音楽、政治、家族といずれのことでいっぱいになっていない日なんてないんだよ。だけど、いつかレイジが招集されてまた活動を続けるというのだったら、僕はいつでもそれに応じるつもりなんだ。ただ、今そういう予定は持ち上がってはいないんだよね」
トムは2003年以降、政治的なテーマに特化したソロ・プロジェクト、ザ・ナイトウォッチマンとしての活動も続けているが、その後、レイジは07年から再結成ツアーも行ってきていて、11年のロサンジェルス公演が最後のライヴとなっている。
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