ジェイ・Z、バーニーズ・ニューヨークの黒人差別事件で経営改善委員会に就任の意向

ジェイ・Z、バーニーズ・ニューヨークの黒人差別事件で経営改善委員会に就任の意向 - ジェイ・Z 最新作『マグナ・カルタ...ホーリー・グレイル』ジェイ・Z 最新作『マグナ・カルタ...ホーリー・グレイル』

ニューヨークに本店を置く高級百貨店チェーン、バーニーズで黒人客に対する差別的対応が行われていた事件で、ジェイ・Zはバーニーズの体質改善を目指す委員会の指導的役割を引き受けていくつもりだと明らかにしている。

ジェイ・Zは事件発覚前からバーニーズとラグジュアリー品のコラボレーションを進行させていたため、ファンから黒人を差別するような資本からはさっさと手を引けという中止要請が起こっていた。しかし、ジェイ・Zは自分はこのプロジェクトの報酬を受け取る予定はなく、自身のチャリティ団体に全額回すつもりであることを表明し、事態の解明と経緯をまだ見守っている自分を早急に名指しで批判するやり口を逆に批判。その後、ジェイ・Zはバーニーズがコラボレーションの報酬額を4倍上乗せしてきたことを明らかにし、チャリティ団体にとっても大きな収入源となるのでコラボレーションは続行すると宣言し、さらにバーニーズの体質改善にも関わっていくことを表明した。

ジェイ・Zは次のようにオフィシャル・サイトで発表している。
「この腹立たしい問題に変化をもたらすために俺は自分の意見を行使できるという、恵まれた立場にある。楽ちんなのはその場から遠ざかって今後の対策などを他人任せにすることなんだけど、この結果を俺は他人に任せることはしないつもりだ。俺はこの件を自分の手で扱い、よりよく事態を進歩させるために今後経営方針やガイドラインの見直しや改正をするべく、それに必要な助言を全力で行っていくつもりだ。俺は全力投球でこれに取り組んでいくつもりだよ」

なお、事件は今年に入って2度ほど起きていて、21歳の看護女子学生のカイラ・フィリップスと19歳の男子大学生のトレイヨン・クリスチャンがそれぞれバーニーズで買い物をしようとしたところを警察に通報されたというが、クリスチャンは自身の場合、「黒人男性にこんな高価なベルトが買えるわけがない」と店員から警察に通報されたと語っている。二人は通報後、身柄を拘留されることにもなり、その後、数百万ドル(数億円)単位の賠償を求めてバーニーズに対して訴訟を起こしている。

ジェイ・Zは今回のバーニーズとのコラボレーション・シリーズ、「BNY SCC」(バーニーズ・ニューヨーク・ショーン・カーター・コレクション)と今後の役割への抱負を次のように述べている。

「司法省による内部調査の行方を見守る一方で、BNY SCCコレクションについては人種プロファイリング問題対応のために特に立ち上げられる委員会に加えさせてもらうことと、そこで指導的役割を負わせてもらうことを条件に、販売を実現させることに俺は承諾したんだよ」

なお、これまでBNY SCCシリーズの売上の25パーセントがジェイ・Zのショーン・カーター基金に寄付されることになっていたが、その後バーニーズは売上100パーセントを寄付することにしたとのことで、さらに11月20日付のバーニーズ・ニューヨークの全商品の売上の10パーセントも基金に寄付したいとバーニーズから申し出があったという。

その一方でバーニーズ・ニューヨークは経営方針としていかなる差別もよしとはしないと声明で説明していて、今後の調査の結果がそれとそぐわない場合には担当責任者などの解雇も含めた善後策を講じると宣言している。
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on