ビースティ・ボーイズ、“ガールズ”を無断使用した会社に公開書簡&トム・ヨークも支持

ビースティ・ボーイズ、“ガールズ”を無断使用した会社に公開書簡&トム・ヨークも支持

1987年発表のファースト・アルバムに収録されている“ガールズ”を使ったパロディCMを製作した玩具メーカーから訴訟を起こされているビースティ・ボーイズは、この玩具メーカーを問い質す公開書簡を発表している。

この玩具メーカー、ゴールディブロックス社はビースティ・ボーイズの“ガールズ”の音をほぼそのまま流用し、女児3名によるラップをそこに乗せたテレビCMを製作し、これが話題を呼ぶことになった。これに対してビースティ・ボーイズのマイクDとアドロックことアダム・ホロヴィッツは、ゴールディブロックス社に対して“ガールズ”の使用許可を得ていないとクレームをつけていて、使用許可を得ずに製作に踏み切った理由について問い質していたという。これを受けて、ゴールディブロックスはこのCMはあくまでもビースティーズの“ガールズ”のパロディ作品であるから、無許可でも著作権法違反には当たらないと主張する訴訟をいきなりビースティーズ側に先週起こしている。これに対してビースティーズは今回の公開書簡の中で、CMはあくまでも商品宣伝のための商行為の一環に過ぎないと指摘していて、CM単体が純粋なパロディ作品だということにはならないとも次のようにほのめかしている。

「『ゴールディブロックスとルーブ・ゴールドバーグ・マシン(からくりを延々と連鎖させ続ける装置)とビースティ・ボーイズ』のコマーシャルを観た数百万の人々の一部と同様に、僕たちもそのクリエイティヴィティとメッセージの強さにとても感心しました。年少の女の子を励まし、性差のステレオタイプを取り払い、テクノロジーや工学への関心をたきつけることには僕たちも強く支持します。しかし、どれほどクリエイティヴな内容であったとしても、この映像は商品を売るための宣伝であって、しかも、僕たちは随分昔に、商品の宣伝には自分たちの作品や名前は使わせないという意識的なルールを決めてもいます。僕たちは、僕たちの作品“ガールズ”が僕たちの許可なくそちらの宣伝に使われているのはどういうことで、どうしてそうしたのか、そのわけを訊きたかっただけなのに、いきなりあんたら、俺たちを訴えやがった」

さらにアドロックは次のようにツイッターで訴えている。
「勘違いしないでよ……俺たちは別にゴールディブロックスを訴えると脅してなんかいないんだからね。あっちが俺たちを訴えてるんだから」

また、レディオヘッドのトム・ヨークも「ここはビースティーズを支持するよ>これじゃ、僕だってすごく腹立つよ!」とビースティーズを支持していることを明らかにしている。

もともと“ガールズ”は女子とは次から次へと男を変えるものだと決めつけて女子をバカにする性差別的な内容になっていると批判の的にもなった曲だが、このCMではそのラップの内容が女子でも科学やエンジニアリングに関わってもいいはずだと訴える内容に作り変えられていて、ゴールディブロックス社は次のように訴状でこのCMの意図を説明している。
「ゴールディブロックスはこのパロディ映像を、特にこのビースティ・ボーイズの楽曲をからかう目的で製作したのであって、さらに性差のステレオタイプを取り払い、女子が知性を刺激されるような活動に関わること、特に科学やテクノロジー、工学や数学への興味をかきたてる活動に積極的に関わるように促すというゴールディボックスの目標をまた一歩前に進める目的のためにも製作しています。ゴールディブロックスの“ガールズ”の動画はインターネットでも大きな話題となっていて、オリジナルの楽曲に対するパロディや批評として広くプレスや一般大衆の間でも知れ渡っています」

(c) NME.COM / IPC Media 2013
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