プッシー・ライオットのナージャとマーシャ、プッシー・ライオットの始まりを語る

プッシー・ライオットのナージャとマーシャ、プッシー・ライオットの始まりを語る

2月に入ってからアムネスティ・インターナショナルのライヴ・イヴェント「ブリンギング・ヒューマン・ライツ・ホーム」でスピーチを行い、テレビ出演も行ったプッシー・ライオットのナジェージダ(ナージャ)・トロコンニコワとマリア(マーシャ)・アリョーヒナだが、2月6日には二人の活動を支援するチャリティ・イヴェントがニューヨークで開催され、ソニック・ユースのキム・ゴードン、ザ・ルーツのクエストラヴ、元LCDサウンドシステムのジェームス・マーフィーらが参加したという。

イヴェントはスポッテッド・ピッグというレストランでピーター・ガブリエルの娘アンナが主催するNPO団体「ヴォイス・プロジェクト」によって開催され、俳優のマギー・ジレンホールやジェイク・ギレンホール、パフォーマンス・アーティストのマリーナ・アブラモヴィッチらも参加したと『ローリング・ストーン』誌は伝えている。

元々「ヴォイス・プロジェクト」はナージャとマーシャが投獄されてからプッシー・ライオット支援基金を立ち上げ、ナージャとマーシャがシベリアなど僻地の収容所に移送されてからも二人の身の安全を監視する活動に資金を費やしてきたという。会場では団体の副会長がナージャとマーシャを「いつか政治活動について若い人たちに教える時、いずれここにいる二人のことを教える日が来ると思うのです」と称えたという。

「この二人は収監され、何百マイルも離れた収容所に拘留されていた間、二人ともハンガー・ストライキを決行し、刑務所での待遇改善を要求し、虐待的な待遇を糾弾したのです。これは何にも代えがたい勇敢な行為です」

その後、ナージャは夫ピョートル・ヴェルジロフの通訳を介して次のように参加者に語ったという。
「あまりみなさんの注目を惹きとめるのもよくないと思いまして、というのも、わたしたちよりもよっぽど関心を向けるべき人たちがいるのに、自分たちにあまり関心を引いてしまうのはよくないと思うからなんです。ここ数日に亙ってわたしたちはロシアにおける政治犯の状況を紹介してきましたので、ぜひみなさんにはそういう政治犯の置かれている状況に、特に5月6日に行われる公判に注目していただきたいのです。最近のロシアでは何が行われているのか、ぜひ確認してみてください。そういう人たちが今度は今わたしたちがいる場所にいられるように、できるだけのことをしてみましょう!」

なお、5月6日に行われる公判とは、プッシー・ライオットと同様に反プーチン抗議デモを行ったため身柄を拘留された27人の活動家を裁くものだという。その後、ナージャとマーシャは『ローリング・ストーン』誌の取材に応じ、ナージャは次のように活動の趣旨を語ったという。

「今この瞬間のことは、わたしたちの声を届けたいという欲求から実現したことなのね。すべては2011年9月24日、メドヴェージェフ元ロシア大統領がプーチンを表舞台に戻すと表明した時に始まったことだったの。この日がプッシー・ライオット結成の日で、わたしたちは街頭に出て、ニュースで報じられていることに同じように不満を感じてる人たちを見出そうとした。だけど、わたしたちが目撃したのはまるで何もなかったかのように振る舞っては演奏してる、毎度おなじみのロシアのロック・バンドだけだった。これを見てわたしたちは金切り声を上げたくなって、自分たちの声をきちんと届けたいと思って、音楽を本来の目的のために使いたいと思ったわけなの」

なお、これまで何度か語ってきた通り、これからの活動についてはロシアの服役囚の待遇改善のために活動していきたいとマーシャは次のように語った。
「これからも訴えを続けては、日頃の人権擁護のための試みを支援していきたいと思うけど、クリエイティヴな欲求も置き去りにはできないから、音楽ビデオを制作したり、その他のクリエイティヴな活動にも携わっていくつもりよ」
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