さあ、お馴染み"そして伝説へ…"の心を奮い立たせるようなオーケストラによるオープニングSEが響き渡って、『COUNTDOWN JAPAN 10/11』初日のEARTH STAGEアンカー、10-FEETの登場だ!「ただじゃ済まさんぞ……」というTAKUMAの呻くような一言に沸き返る、一面のオーディエンスたちである。NAOKIの高速回転する重量級ベース音からまずは"super stomper"。視界いっぱいの黒い海がうねるうねる。爆風のような高速チューンの数々にシンガロングが喰らいついてゆくという、ステージの上も下も超ハイボルテージのショウである。「もっと深いところへ!もっと高いところへ!来年はどんな一年にしたいのか、おまえら見せてみろ!」という、TAKUMAの叫びともつかない煽り文句に更にフロアに熱気が立ち込めていった。「なんか面白いことやろうや。一曲だけみんなタオルを頬被りしてみようか!」という呼びかけによって生み出されてしまった光景の中での"under the umber shine"。広大なフロアで「どーん!」と巨大なウェーブが巻き起こされる"Freedom"。そして最新シングルにして必殺チューン"hammer ska"である。僅かな時間の中に、これだけのものを仕掛ける10-FEETも凄いが、真っ向から応じるオーディエンスもまた凄い。
「あらためまして、Perfumeです!4日間続けて来る人おんの?ああ、アホな人がいっぱいおる。いいなあ、これだけの人に囲まれて。どうせそれぞれ知らん人やろ?分かり合えることもない……今年は来年に吸い上げられて、今日という日は明日に吸い込まれる。価値観の違う人間がこれだけ集まって、俺たちはどこまでいけるかな? "風"」。爆風のようなサウンドとスピードの中にあって、TAKUMAはこんなふうに時折「考えさせる時間」を組み込む。続く名曲"RIVER"で、思考と混ざり合った感情が一気に決壊し、EARTH STAGEに溢れかえった。「生きろ!来年がどんな年でもなあ、ただ突っ走るだけや!そうやろ!?」。そして本編最後に、聴く者すべてを未来という時間の中に叩き込んでゆくような"goes on"だ。「みんな座れ!一度座れー!いいか?いくぞー。みんな跳べー!」と、ビートに合わせての一斉ジャンプが繰り返されたのだった。ステージに立つ側もそれを見届ける側も、真に出し惜しみなしの全力疾走ライブであった。圧巻。ただその一語に尽きる。
「MINMIは子供を保育園に迎えにいくと言って帰りましたー」ということでコラボレーションは果たされなかったが、それでも"CHERRY BLOSSOM"に無数のタオルが舞ったアンコール。ここで「今年は大好きなバンドが新しいステップを踏み出しました」というTAKUMAの言葉から、繰り出されたのはなんとビークルのお株を奪う「お●んコール」だ! そして"2%"の演奏を終えると、「じゃあおまえらの来年の幸せを祈願して!」と、NAOKIとTAKUMAがKOUICHIのジャッジのもとにそれぞれドロップ・キックの打ち合いを敢行する。なにをやっているんだ。KOUICHIが両者の手を取ってどよめきの中に判定を下すのだが、結果は「勝者……おれ!」。掲げられたのはKOUICHI自身の拳であった。まあ、何しろ怪我には気をつけて、来年もまた最高のライブを見せてくれ、10-FEET!(小池宏和)
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