メニュー
15:40~ ミュージシャンとオーディエンスによって
作られたPOLYSICSのライヴ
8/1 17:30 UP

このROCK IN JAPANでのステージを必死にいいものにしようとしてくれたPOLYSICSのメンバー、そして、それを全身で受けとめ盛り上がろうとしたオーディエンス、この両者に本当にありがとうと言いたいライヴだった。みなさんもご存知の通り、今回のステージは他のアーティストとは少し違うものだった。MCでハヤシ君も言っていた通り、今回の出演がピンチヒッターであること。そしてもう一つ。実は、今回のステージの4曲目の“Gebki Rock A・B・C”と8曲目の“MAD MAC”の演奏している最中に、何度かまったくメインスピーカーから音が出ないという機材のトラブルがあったのだ。けれど音が出ていない間もPOLYSICSの面々は、その渾身のパフォーマンスを決してやめなかった。5月にドラマーのスガイが脱退したものの、サポートドラマーとの呼吸もバッチリ。オーディエンスもその足を止めることなく飛び続け、手を叩き続けた。
僕がPOLYSICSを大好きなのは、テクノとロックの融合を極めていくなかで、ロックンロールの中にシンセの音を導入していくような方法論をとらず、むしろ自分たちの声やオーソドックスなロックの音のほうをシンセのような音に近づけていくという発想の転換があるからだ。それは生半端な気合じゃできない。金切り声のようなシャウトを上げ続け、きらめくようなディストーションの粒子をふりまくためにギターを掻き鳴らす。彼らはそんな自分たちの方法論を40分間まっとうし続けたし、オーディエンスもその気合に踊りながら、泣き、笑った。ライヴは観客によって作られるもの、というのは本当によく言われることだが、ここまでミュージシャンとオーディエンスの両者の歩みによってパフォーマンスが昇華していったライヴを久しぶりに見せてもらった。最後にもう1回。本当にPOLYSICSの面々とオーディエンスのみんな、ありがとう。(古川琢也)
ピンチヒッター・ポリシックスを盛り上げた、
みなさん、おつかれさま。

レイク・ステージから見た翼のゲート