『思い出のマーニー』が新たな扉を開いた「ジブリの少女の物語」

『思い出のマーニー』が新たな扉を開いた「ジブリの少女の物語」

7月19日は、次号CUTの発売日。
そしてスタジオジブリ最新作『思い出のマーニー』の公開日。
雑誌を読んでから映画を観ても、映画を観てから雑誌を読んでも、いずれも味わい深いはず。

以下、誌面にも掲載している記事の紹介文です。
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ジブリ作品の人気キャラクター投票をしたとき、上位に入るキャラクターは大きくふたつに分かれるはず。ひとつは主に宮崎駿が生み出した人間以外の不思議な生き物たち。そしてもうひとつは少女たちだ。しかも少女の人気キャラクターは、宮崎駿監督作品だけでなく、ジブリのすべての監督の作品のなかにいる。そしてジブリ作品のファンは、男子にも女子にも偏っていないので、どのキャラクターも、女子が少女マンガ的に感情移入するものとも、男子が恋愛対象的に憧れるものとも言い切れない。では、ジブリの少女とは何なのか? 物語のテーマを、「少年」よりも、ときに「豚」や「狸」となって姿を現す「成人男性」よりも、その存在によってエモーショナルに表すものである。この特集の後半の記事を読んでもらえば、そのことがよくわかるはず。
米林宏昌は、そういう意味で、いかにもジブリらしい監督であると同時に、ジブリ作品の新たな扉を開く監督でもある。第1作『借りぐらしのアリエッティ』のアリエッティは、ジブリ作品屈指の魅力的な少女だ。そして、このCUTの発売と同日に公開される第2作『思い出のマーニー』は、ジブリ作品史上初めて少女と少女の関係が、物語の主旋律となる映画だ。杏奈とマーニー、ふたりの少女の存在が触れ合うことによって、米林監督の世界に、これまでのジブリ作品の物語にはなかった新たな立体的な奥行きが生まれた。それがどんなにすごいことかは、数々のジブリの名作を観てきた人々ならばわかるはずだ。もしかしたらすごいこと過ぎて、実際に観るまで信じられない人もいるかもしれない。そういう人も含めて、ぜひ多くの人に『思い出のマーニー』を観てほしい。この「ジブリの少女の物語」は、スタジオジブリの歴史における記念すべき作品の誕生を祝してお届けする特集である。
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その他の掲載記事に関しても、このブログで続報していきます!(古河)
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