見たことない、普通すぎるクロエ

見たことない、普通すぎるクロエ

吸血鬼、暗殺者、超能力に目覚める少女……今や世界でもっとも暴力と血の似合う10代、クロエ・グレース・モレッツですが、そんなクロエが大好きなあなたは特に、彼女の最新作『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』を観るべき。びっくりするほど普通の女の子・クロエがそこにいます。
数々のぶっ飛んだ役もこなしてきたクロエがこの作品で演じるのは、友達も彼も仲の良い家族もいる普通の17歳・ミア。自信があるんだかないんだかわからない面倒な自意識とか、自分を大切にしてくれる人に何かとつっかかっていっちゃう変な意地とか、誰もが10代で経験した出口のない思いを抱えてる。
彼女は事故で家族を失い、瀕死の自分の体を前に生と死の選択を迫られるわけですが、そんな17歳の普通の少女の決断をクロエはとっても繊細に、力強く演じている。とにかく、足りなくて、弱くて、でもまっすぐな少女だからこそ、残酷な事実や周りの愛、そして自らの命に向き合わされる彼女の思いがヒリヒリと痛い。こういう痛みもここまでリアルに伝えてくれるのは、さすがのクロエ。
そして、そんなクロエがめちゃくちゃかわいい。大好きな彼への遠慮がちで嬉しそうな上目使いとか、病院の廊下を裸足でペタペタ走って足がもつれて転んじゃうところとか、やばい、このかわいさ……もちろん、かわいいのは知ってたけど、ティーンの脆くて透き通った魅力がここまで全開な役は、クロエ史上初のはず。
R指定のコミックもので男性ファンを興奮させてきた彼女からすると、10代の女の子が泣いてくれた経験はかなり新鮮だったらしい。普通の女の子の命に向き合った経験や、女優という仕事への思いをたっぷり語ったインタビューは、現在発売中のCUT10月号にてどうぞ。(川辺)
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