戦いのドラマ、『流星ワゴン』
2015.01.26 21:52
昨日、第2話が放送されたドラマ『流星ワゴン』。
大きな絶望と、思いがけない旅によって生まれた少しの希望、そして一雄とチュウさんの大立ち回りに、たくさんの感情が溢れた第1話に続いて、クライマックスの連続だった第2話。
わかり合えないまま別れを迎えつつある父と子、愛し合ってきたのに崩れてしまった家族、交通事故で死んでしまった親子。それぞれが取り返しのつかない事態にまで至った地点から始まったこの物語は、ワインカラーのワゴンの登場をきっかけに、人生の縺れの正体を少しずつ解いていく。
このドラマがすごいのは、過去をめぐるこの旅を、原作ファンからすると驚いてしまうほどの熱量で描き切っていること。原作ではちょっとセンチメンタルに感じるこのドライブも、ドラマではまさに「戦い」だ。
チュウさんとの本気のぶつかり合いもさることながら、一雄が、負けそうな自分自身、そして自らの過去と戦う姿は、これまで西島秀俊が演じてきたすべての戦う男たちと同じように、激しくて過酷で、そして熱く心に響く。このドラマがいかに「戦い」であるかは、西島本人もCUT最新号のインタビューでたっぷり語っている。ドラマを楽しみながら、ぜひこのインタビューも読んでもらいたい。(ロケ地・鞆の浦でがっつり撮影した撮り下ろし写真も必見です)
名言ばかりのこのドラマだが、個人的に第2話で一番響いたのは、息子のために上司に頭を下げるチュウさんを止めて一雄が言った、「やり直さなきゃいけないのは俺なんだ!」。
過去は変えられないということを何度も突きつけられながらも、毎回どんどん変わっていく一雄のこれからの戦いも見逃せない。(川辺)