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    Cocco、覚醒のツアーをNHKホールで観た

    Cocco、覚醒のツアーをNHKホールで観た
    最新アルバム『アダンバレエ』は、Coccoがずっとコントロールできないものとして自分を振り回してきた「歌」にこれまでとは違う強さの覚悟で向き合い、自分の力で歌と楽曲を解放し始めたアルバムである。
    しかしライブを観て、Coccoがそれをすることが、どれだけとてつもないことか、本当の意味がわかった。
    Coccoは歌うとき、自らの声と肉体のすべてを音楽に捧げる。
    その歌と楽曲を自分の力で解放するということは、自分で自分を覚醒状態に持っていくということだった。
    このツアーでCoccoは、それをステージ上でやり遂げている。
    『アダンバレエ』の楽曲と今、彼女を支えているバンドは、Coccoの肉体の一部となりながら、大きな翼になって彼女の歌を羽ばたかせていた。
    これまでもライブでたくさんの衝撃や感動をくれた過去の楽曲も、新たな肉体を持って今、鳴らされるべき音楽としてパワーアップしていた。
    そして、とにかくCoccoの歌とパフォーマンスは、こんなにも主旋律が太いうねりを持つ音楽があるだろうかと思えるような力強さを、約2時間にわたるライブの中で全く途切れさせることがなかった。
    きっとこれからもCoccoは末永く素晴らしい歌を聴かせ続けてくれるに違いないと『アダンバレエ』を聴いて確信していたけれど、それどころじゃない。
    桁違いの才能が、ここにきて新たな覚醒を見せたライブだった。(古河)
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