『女子メンタル』は笑いの新たな扉を開いてしまった

松本人志による実験的お笑い番組『まっちゃんねる』で開催された、女性芸能人(芸人ではない)による『ドキュメンタル』=『女子メンタル』は、既に大きな話題になっている通り、衝撃的なまでに面白かったし、大袈裟でなく新たな笑いの世界の誕生を感じて、かなり感動してしまった。
ファーストサマーウイカ、峯岸みなみ、朝日奈央、ゆきぽよ、金田朋子、松野明美、浜口京子という参戦メンバーそれぞれの笑いのセンスとガッツと頭の良さと人柄がもちろん素晴らしかったのだが、同時に女子だけが本気で「笑わせ合い」という精神戦、頭脳戦、ひいては肉弾戦を繰り広げた時に生まれる空気が、笑いを追求し続けている(どうしても男性中心になってしまう)芸人同士のコミュニケーションよりも時に笑いを大量生産することを証明してしまったことが衝撃だった。
彼女たちがバラエティ番組の中で芸人たちと渡り合いながら見事に攻めと守りを使い分けて笑いの磁場を大きくするのに貢献していることは誰もがわかっていて、その中で松本人志が特に優れたスキルと未知の可能性を感じた女性タレントがここに集まっていたのだと思うが、女子だけの空間でその知性と個性と野性がぶつかった時のコミュニケーションはかなり高度なものだった。
参加した以上は守りに入ることなく羞恥心はあっさり捨ててその場をアグレッシブに楽しむ、場合によっては勝つために一線を越えて相手を蹴落とすぐらいのダークスキルを駆使して攻める、でも試合中断時はお互いをフォローし誰かが負けて去りゆく時は笑顔で称え合う、そして最後まで負けたくないという本能に殉じる。
「ドキュメンタル」という企画そのもののが、笑いを愛しながら疑うという健全な潔癖さを持っているからだと思うが、この「女子メンタル」は女性タレントたちがそれぞれのフィールドの中で天然で培ってきた健全に闘う姿勢を、「笑い」という嘘なく結果が出るものの中で気持ち良く露わにしていたと思う。
モニタールームの男性芸人たちからは、まだ参加者が誰かも見る前ではあるが、「もしかしたら笑いが全く起きないことも」という声も上がっていた。
笑いのプロだから鷹を括っていたとも言えるかもしれないが、闘いが始まった後は、女子だけの未知の空気の中で繰り出されるネタの面白さに素直に驚きと興奮とリスペクトを見せていたし、最後の峯岸みなみと朝日奈央の攻防を声を嗄らすぐらい両者を応援していた姿を見ていると、彼らはこのような展開をどこかで予感していたところもあるのではないかと思った。

それぞれの何が面白かったかは書き始めるとキリがないし、文章ではこの面白さは伝わらないので書きませんが僕は声優の金田朋子さんのファンになりました。(古河晋)
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