やっと観れた、ずっと観たかった映画:『かいじゅうたちのいるところ』

期待通りに素晴らしい映画だった。確かに大人として見ると、9歳の子供の“わがまま”は若干鼻につくとこはあるけど、それこそがこの映画のリアル。物心がつき、初めて責任感やマナーなど、大人の世界がのしかかってくる子供が感じる“のび太”的な無力感と孤独が、実に上手く表現されているのだ。どうやらアメリカでは“子供向けじゃない”と議論されているらしいけど、むしろこのリアリティは子供のほうがちゃんと受け入れられると思う。
にしても美しい映画である。キャラクターたちの造形から風景描写、スパイク・ジョーンズが創造したイメージは秀逸。ヤー・ヤー・ヤーズのカレンOによるサントラもピッタシである。それだけでも観る価値があるんじゃないか。
ふと思ったのは自分が子供の頃から大好きだったある映画に共通するトピックが多いこと。主人公が孤独な子供、母子家庭、未知との遭遇、兄妹との微妙な関係、お別れ……。
最近DVD買ったばかりだから、そう思ったのかな。(内田亮)
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