NYの中村明美さんが「もうとにかく最高。ジャンルを特定するのが難しいけど、こんな素晴らしい映画はない!」というテンションのエントリーを何度もしていて、それはそれはすごい映画なんだろうと思い、喜び勇んで試写会に行ってきたわけですが。
いやはや、本当にいい。
上がりまくった期待のそのずっと上空を軽やかに飛び越えていくような、すごく軽やかでだけど心にぐっと残る、この上なく愛すべき作品でした。
今このときに、この映画を観ることができて本当によかった。試写室を出て、まず最初にそんなことを思わせる映画なんてそうはないと思う。れっきとしたコメディだし、実際ゲラゲラ笑えるし、ラブストーリーでもあって、実際男女の裏腹なやり取りに切なくなったり一喜一憂したりするんですが。
だから、コメディとしてもロマコメとしても最高級の一品であることは間違いないんですが。
ただ、この映画が何より素晴らしいのは「再生」の力をまっすぐに、だけど決して絵空事ではない、極めてリアルな市井の物語として描ききっているところなんだと思う。
ひとつひとつの情感とキャラクターの心的な変化を何一つとして割り切らず、丁寧かつ鋭い言葉のやり取りできっちりと掬い上げていく。
そして、その気が遠くなるような細かい作業の反復の先に、眩しいくらいの再生の瞬間と涙溢れるほどのドラマを描いてみせる。
うまく言えないですが、この映画は本当に「偉業」だと思う。
何かに似ているようで何も似てないし、どこかのジャンルに属しているようでものすごく新しい。そして、それを鑑賞後感がちゃんと教えてくれる、というなんともすごい映画。
監督のデヴィッド・O・ラッセルはじめ、ともに傷を抱えた主人公を演じるブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンス、それと、ブラッドリー演じる躁うつ病で癇癪持ちの息子を見守る両親を演じたロバート・デニーロ、ジャッキー・ウィーバー。
その全員がオスカーノミネートというのはまさに偉業だけど、本当に感動的な映画が正当な評価を受けるというのはやはり気持ちがいい。『世界にひとつのプレイブック』は、2月19日発売のCUT3月号で、そのほかのオスカーノミネート作品とともにしっかりと特集しようと思ってます。ご期待ください。
あ、映画の公開は2月22日です。また絶対観にいく。(小柳)(c)2012 SLPTWC Films, LLC. All Rights Reserved.
