Au Revoir Simoneにインディ・ポップ真の姿を見る

Au Revoir Simoneにインディ・ポップ真の姿を見る

昨夜、Au Revoir Simoneの来日公演を渋谷O-nestで観た。エリカ、アニー、ヘザー、3人揃ってのシモーヌのツアーは4度目、5年ぶり。前作『Still Night, Still Light』でかつてなくアーティスティックな方向へ舵を切った彼女達。最新作『Move In Spectrums』は、3人の実験精神が遂にシモーヌらしいポップ・ミュージックに昇華されていた。昨日のライブでは、デビューから8年をかけてゆっくりと磨かれたそんなシモーヌのポップが全開だった。

ちょっとダブっぽかったりディスコだったり、そうしたダンス要素を持ち込みながら、ノスタルジックでレトロなシモーヌの世界観はそのまま。それぞれのソロ活動や充電期間が影響したのは当然のことだと思う。エリカとヘザー、それぞれに素敵な歌声と2人のハーモニー、アニーの少し癖のある歌声に、DIYの極みであるドラムマシーンやキーボードのミニマムな絡み合いがこんなに豊かに広がっていったのは初めてだ。

終演後、エリカにそのことを伝えたら、「初来日を思い出したらなおさらそうよね!」と笑って感慨深そうだった。今回のツアーで移動中、新幹線からの景色に昔のことを思い出したりして、ノスタルジックで不思議な気持ちだった、とも。ステージでも、何度も観客にありがとうと言っていた。俗っぽい野心とは無縁なバンドだけに、ここまで辿り着いたことがリスナーとしてもほんとに感慨深かった。

「Au Revoir!」ってファンの皆がメンバーに言いながら帰っていったのも、彼女たちの音楽みたいでした。


3人揃ったところを写真撮れずにごめんなさい。
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