ニューロティカとARBの話(後編)

ニューロティカとARBの話(後編)

前回の続き。
私、ARB、聴いてたのに、このブログであまりちゃんと
書いたことがない理由について、です。

私にとってARBは、「ファンをやめたバンド」なのです。
だんだん聴かなくなった、とか、いつの間にか興味がなくなった、
とかではなく、自分の意志でもってファンをやめた、ということです。
音楽業界人としてではありません。お金を払ってレコードや
チケットを買っていた、客としてです。

中学高校の頃は大好きだった。
私の地元、広島にツアーに来ると行ったりもした。
広島見真講堂で見た覚えがある。
「見真講堂」って。懐かしすぎる上にローカルすぎるが、
もしかしたらひっかかる人いるかもと思って
書いてみました。全然書く必要なかった気がします。
それはともかく、だからとにかくもう超聴きこんでいて、
「魂こがして」というライヴ・アルバムなんて、合間に入ってる
MCまで暗記していたほどです。

しかし。1990年に解散した時の石橋凌のインタヴューを、
ロッキング・オン・ジャパンで読んで(まだ読者でした、私)、
めちゃめちゃ腹が立ったのでした。

亡くなった松田優作の遺志を継ぐため、俳優に専念する。

という理由でした。

はあ? ふざけんな。

と、思いました。ロック・バンドARBのボーカリスト、
石橋凌のファンとしては。
僕は、当時、既に俳優としても認められ始めていた石橋凌のことも
肯定的に見ていたし、もちろん松田優作は好きだったけど、ちょっと待てと。
なんだ遺志を継ぐって。じゃあARBのファンはどうするんだ。
そんなやめかたがあるかと。
音楽に情熱がなくなったとか、このバンドでやるのがイヤだとか、
そんな理由ならまだ納得しようがあるけど、「遺志を継ぐ」とか
言われてしまうと、ああそうですか、あなたは我々
「ミュージシャン・石橋凌のファン」を見棄てるんですね、と。
「俳優・石橋凌のファン」だけを相手にやっていくんですね、と。
そういうふうにしか思えませんでした。

わかりました。そっちがそうなら、こっちもそうします。
というわけで、ファンをやめたのでした。

だから、復活ARBも聴かなかったし、そのARBの休止後、昨年出た、
石橋凌のソロ・アルバムも、聴いてません。
くどいが、音楽業界人としてではありません。客として、です。

ただ、数年前、COUNTDOWN JAPANの大晦日、年が明けてから
朝までの長時間、GALAXY STAGEで、ビークルが、ゲストをいっぱい
迎えながら、ずーっとライヴやったり、トークしたりした時が
あったんだけど、あの中で、クドカンを招いて、
ARBの「魂こがして」をやったのです。
長年、全然聴いてなかったのに、いまだに自分が、一言一句
間違えずに、フルコーラス歌えることに気づきました。
で、めちゃめちゃ動揺しました。

というわけなので、こういうツアーをやられると、正直、複雑です。
観たいけどなあ。でもなあ。って、まだ怒ってるのか俺は。

なお、俳優・石橋凌の出ている映画やドラマを観るのは、
別に平気です。というところが、また、ややこしい。
北野武監督「BROTHER」の名演なんて、よく憶えてます。
今もTBS日曜の「運命の人」に出てますよね。

上は、前回のブログで触れた、ARBの6thアルバム『トラブル中毒』。
ね。全然違うでしょ。
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