X JAPANのライヴに行ったことがある人なら絶対にコールしたことがあるだろう言葉をタイトルに冠するとおり、この言葉の意味を目と耳で体感するような映画だった。
YOSHIKIを衝き動かすもの、たぶんそれは「X」という存在に対する、執念にも似た深い深い愛情だ。複雑に絡み合った誇りとか友情とか意地とかの感情をもはや超越して、まっすぐで純粋な想いへと収束した愛情。
狂気的なドラミングとリーダーシップの一方で、少年のような笑顔を見せて冗談を言う彼の映像から、そんなことを思った。
YOSHIKIだけではない、ToshIをはじめ、ひとりひとりでも音楽家としてやっていけるはずのメンバーが、衝撃的な事件の数々を乗り越えながら、この場所にしかないもののために集まって、ひとつになっていく。
さらに、彼らの音楽を愛する世界中のファンの表情が映し出される。
Xでは、ファンを含めて「運命共同体」と呼ばれるが、まさにそれだ。
ともに生き、夢を抱き、未来へ想いを紡いでいくひとつの生命体。
その中心にある「愛」が、本当に美しかった。
スクリーンに映し出される「あの時」「あの場面」を(テレビでだが)目撃していた世代としては、胸が痛くなる瞬間もあったし、何回もぼろっぼろに泣いたけど、この映画の続きをこれから自分の目で見られることが何よりの幸せだと思える。
もちろん過去を知らない人たちにも、ひとつのロックバンドの「奇跡」ではない、「真実」を知りに、ぜひ劇場で体感してほしい。(後藤)