巨大な舞台セットに女優の川床明日香が登場するパートでは、私たちは客席からサカナクションを観ながら、彼女が演じるキャラクターを観て、さらにそのキャラクターの視点からサカナクションを観ることもできた(総合演出の田中裕介による映像を駆使したマジックが効きまくり)。
それによってサカナクションの音楽を俯瞰図や、断面図や、展開図など、見たことのない図式で見ることができた感じがして、その芯にある体温に触れられた感触があった。
そんな、まさに【アダプト】な瞬間を経た後は、いつもとは違う状況でのライブが一気にいつも通りのサカナクションのライブへと変わった。
そして最後には「音楽はやっぱり必要だ」という思いが残る感動的なライブだった。(古河晋)
サカナクション【アダプト】は孤独になれる自由の果てで踊る発明のライブだった
2022.01.26 21:50