Bialystocksのライブを観たあとはいつも聴覚が研ぎ澄まされたような気がする――2nd TourファイナルのEX THEATER ROPPONGI公演を観て

Bialystocksのライブを観たあとはいつも聴覚が研ぎ澄まされたような気がする――2nd TourファイナルのEX THEATER ROPPONGI公演を観て
Bialystocksのライブを観たあとはいつも聴覚が研ぎ澄まされたような気がする。甫木元空(Vo)と菊池剛(Key)ふたりによる静謐な音のさざなみと、バンドとコーラスを含めた8人がインプロビゼーションとともになだれ込む音の洪水を絶えず行き来することで、聴覚の普段使っていない部分が刺激されるのだ。そして、余計な情報がひとつもない音と言葉の間を漂うことで、私たちが日頃なおざりにしてきた感情にふと目を向けさせられたりもする――まさに《心の四隅に何度も触れ》(“頬杖”)させられたライブだった。

全6公演を回った「Bialystocks 2nd Tour 2023」、ファイナルのEX THEATER ROPPONGIでは、バンド史上最大キャパの空間で、甫木元と菊池を起点に生み出される音のダイナミズムはさらに増大。暗闇の中にBialystocksという音の生命体が蠢いているような怪しくも美しい演奏を届けた“All Too Soon”を中心とした巧みなマッシュアップのゾーンでは、束の間の無音さえもひとつの音として「鳴っている」ような錯覚を受けた。終盤ではリリースされたばかりの“Branches”も初披露され、Bialystocksが2時間で紡ぎ出す出会いと別れの物語に更なる奥行きを与えていた。


来年1月18日には「Bialystocks 二人編成ライブ 2024 冬」と題された甫木元・菊池ふたりだけのライブ開催が決定! Bialystocksの静と動を最もミニマルに伝えるこのライブで、他のバンドでは決して味わえない音楽表現の先端にふれ、あなたの「聴覚」と「感情」を研ぎ澄ませてほしい。(畑雄介)

Bialystocksのライブを観たあとはいつも聴覚が研ぎ澄まされたような気がする――2nd TourファイナルのEX THEATER ROPPONGI公演を観て
ROCKIN'ON JAPAN 編集部日記の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする
フォローする