10月23日、Zepp DiverCity(TOKYO)で行われた「Dios Tour 2023"&疾走"」ファイナルを観た。
9月にリリースされたアルバム『&疾走』を携え全国7都市を文字通り駆け抜けてきた本ツアー。
アルバム『&疾走』は3人の個性が強烈にぶつかり合って完成した、といよりは、3人が個々にその才能を遺憾なく発揮しつつも、結果Diosというひとつの美しい「生命体」に結晶して、そいつが暴れまくっているような、そんな感覚があった。
そしてそれは今回のツアーでもひしひしと感じることができた。
言葉の弾丸を覚悟を持って撃ち抜き続けるたなか、縦横無尽に駆け巡るIchika Nitoのギタープレイ、ふたりを土台から支える、というよりは押し出すように力強くバンドを牽引するササノマリイの鍵盤。
その他サポートメンバー含めこの日のライブを形作ったすべての人間により生み出された音が、Diosという生命体の口から吐き出される光線のごとく我々オーディエンスの耳を、頭を、心を蹂躙していった。
ラストは新曲披露というサプライズもあり、この日のハイライトでもあった“王”で歌われる通り、《未体験を噛み締めて》茫然としてしまう2時間だった。(橋本創)
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未体験を噛み締めて――DiosのZepp DiverCity公演を観た
2023.10.24 10:45