今までずっとネット上の存在だった、なとり。
今日ついに、その生ライブを見てしまった。見れてしまった!
アルバム『劇場』の購入者向けの「natori SECRET EXHIBITION」(アートワークの関連物やファンアートなどの展示会)のあとに行われた、「natori SECRET SHOW」。そもそもなとりの音楽は、“Overdose”を筆頭に妖しくグルーヴィなサウンドが魅力であって、生バンド・生ライブがハマるのはわかっていたことといえばそうなのだけど、TAIKING(Suchmos/Gt)、モチヅキヤスノリ(Pf)、西月麗音(B)、神田リョウ(Dr)という辣腕のバンドと共にパフォーマンスするなとりの姿は……そんな「わかっていた」を遥かに超えていた。目の前で生きていて、動いて、全身で音楽を鳴らしているなとり。彼が歌うその感情は正負で言えば「負」だが、それをこうして観客と共有してグツグツと沸騰させていくと、こんな高揚感に繋がるんだな、なんて。なとりの音楽の新たな一面を見たような気がした。
3〜4月には初のワンマンライブも控えている。今日はショーケースということで約30分と短めの時間だったが、これがワンマンになったら一体どんなことになるのか、今から楽しみだ。(安田季那子)
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