《正面で見ても横から見ても下から見てもいい女》──乃紫“全方向美少女”のキラーフレーズはいかにして生まれたのか? 知られざる彼女の思考回路にインタビューで迫りました

《正面で見ても横から見ても下から見てもいい女》──乃紫“全方向美少女”のキラーフレーズはいかにして生まれたのか? 知られざる彼女の思考回路にインタビューで迫りました
《正面で見ても横から見ても下から見てもいい女》、一度聴いたら忘れられないキャッチーな歌詞に艶っぽくミステリアスな歌声。乃紫の“全方向美少女”を耳にしたことのある人はたくさんいると思うが、乃紫が一体どんな人物なのかを知る人はまだ多くないはず。現在発売中のJAPAN4月号では、そんな彼女の思考回路に深く迫った。

まず特筆すべきは、どんな曲なら多くの人に聴いてもらえるのか、どんな歌が求められているのかを徹底的に分析し尽くしているところ。インタビュー中にはUGC(ユーザー生成コンテンツを意味するマーケティング用語)という言葉も使いながら、「ヒットを生み出すこと」自体を楽しんでいる姿が今っぽくて清々しい。
それだけではなく、自分の曲がどういうふうに受け止められるのかにまで想いを馳せているところに乃紫の人間的な魅力を感じる。“全方向美少女”は、サビだけのデモをTikTokに上げたときに寄せられた「自己肯定感が上がる」というコメントを見て、最終的にこのような歌詞に仕上げたという。
《運命なんて生まれた日より選んだ服で決まるもの》というフレーズには、自らの選択や努力で人生はいかようにも変えられるというポジティブなメッセージが込められている。動画のBGMで使いやすいというだけではない、すべての女の子の味方になるような逞しさで満ちているから、こんなにも多くの人に求められる曲になったのではないだろうか。


活動初期の曲は戦略性よりも自分のエゴが押し出されているとインタビューで語っていたが、約1年前に発表された“接吻の手引き”もまた違った良さがある。10代の感情の勢いそのままに綴ったような欲望が露わになった歌詞に、思わず口ずさんでしまうサビが心地よい。狙わなくても、時代に求められる音楽を作るポテンシャルが既にこのときから光っている。


この春には初のワンマンライブ開催と初フェスとなるJAPAN JAMへの出演も決定している。他にもいい曲がたくさんあるので、ぜひその才能を生で目撃してほしい。(有本早季)

【JAPAN最新号】“全方向美少女”とはなんなのか。「乃紫」とは何者なのか。ポップス最前線に躍り出た、その正体を暴く初インタビュー
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