彼らの楽曲、ビジュアル、パフォーマンスは独自の世界観があり、トラウマテクノポップと称される楽曲は、ポップスとロックに80年代風のテクノを織り交ぜたサウンドが癖になる。さらに、松永天馬(Vo)と浜崎容子(Vo)の男女ツインボーカルで表現される「性」や「死」、「病」などにおけるリアルで心を抉るような歌詞に、どこか共感性が生まれ、惹き込まれずにはいられない。
そんなアーバンギャルドであるが、意外にもこれまでにアニメタイアップ楽曲がなかったのだ。これについて、おおくぼけい(Key)は「多分『アーバンギャルド』っていう世界観ができすぎているから、アニメの世界と合うのが難しいと思われていた部分もあるのかもしれない」と話していたが、確かにと思うほどに彼らの世界観は独特である。
今回、彼らがEDテーマを担当したTVアニメ『なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?』とはとてもリンクしていたのだろう。それは、作曲を担当した浜崎が話していた「曲を作る際に原作も読みました。誰も自分のことを知らないというパラレルワールドみたいなお話が私は好きなんですよね。自分がもしそうなっちゃった時に、どういう気持ちになるのかを想像して、『悲しいし、切ないだろうな』と。誰も自分のことを覚えていなくて、今まで積み上げてきたものを否定されてしまうのを想像した時に思い浮かんだのは、こういう切ない感じのバラードでした。アニメの放送を観て、切ない気持ちになっているところでエンディングとして流れるのは、やはり明るい曲ではないだろうなというのも思いました」という話からもわかる。アーバンギャルドの決して明るいだけではない楽曲に合っている気がするし、彼らが選ばれたのは必然だったのかもしれない。
今回のインタビューでは、“愛、アムネシア”の詳細を訊いただけでなく、17年の活動に対するそれぞれの思いだけでなく、今や大人気の女性グループやとある女性アーティストとの関係性や、サブカルについても語られていることも注目ポイントだ!
彼らが目指しているアーティストについても熱く語られているので、ぜひ全貌は記事でチェックしてほしい。(岩田知大)