1回目に観たときは念願のソールドアウトを喜んでいたけれど、今回も言わずもがなフロアは超満員。それでも何度もクアトロに戻ってくるのは、きっと自分たちがどんなバンドであるかを今一度確かめるためなのだろう。
各地のフェスに(12月28日のCDJにも)出演するなど、今年大きくステップアップしたDannie Mayが、来年のさらなる飛躍を遂げる前に、これまで応援してくれているファンのみんなへの感謝の思いを伝えるためのライブのようだった。
Dannie Mayは、何かのスペシャリストが集まったバンドではないし、結成して7年弱の間に、エレベーターで急に最上階に登れるようなきっかけがあったわけでもない。
それでも、Dannie Mayが足踏みしているなと思ったことは一度もない。ライブは観るたびに明らかに洗練されているし、結成当初から目標にしていたZeppワンマンも、今はそう遠くない未来に実現できるのではないかという予感がしている。
メジャーもマイナーも分け隔てなく音楽を作り続けることを貫き、幾度となく繰り返してきた挑戦はすべて3人が考え抜いて選んだ道だ。「他の誰でもなくこのバンドじゃなきゃダメ」だと思わせる説得力は、自力で階段を登り続けるようなそのひたむきな姿勢に宿るものだ。
こういうバンドこそ、しぶとくて、いちばん強い。(有本早季)
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