センチミリメンタルが証明する、王道の強さ

センチミリメンタルが証明する、王道の強さ
近年のラブソングは、「どれだけ具体的で、どれだけ生々しいか」という方向に進化してきた。恋人との会話や街の風景、SNSのタイムライン。日常の断片を切り取り、リアルな感情の揺れを描くことで、共感を生むスタイルが定着した。

しかし、センチミリメンタルはその流れとは対照的だ。温詞が生み出す楽曲は「普遍的」であり、「抽象的」でもある。それでも──いや、王道だからこそ──聴く人の心を強く掴む。

「会いたい」
これほど使い古された言葉も、センミリは決して陳腐化させない。作曲、歌唱、演奏、そのすべてが言葉の力を最大限に引き出している。だからセンミリの楽曲は、聴くタイミングや場所によって表情を変える。希望に聞こえることもあれば、痛みとして胸を刺すこともある。同じ曲が、その瞬間の自分を映す鏡のように響く。

今日のKT Zepp Yokohamaはソールドアウトだった。それでも、あえて言いたい。このアーティストは、まだまだもっと多くの人に届くべきアーティストだと思う。
年末には、カウントダウン・ジャパンのステージに初めて立つ。あの声がフェスの空間でどう響くのか。どれだけの人の心を掴むのか。その瞬間を、できるだけ多くの人と一緒に見届けたい。
(本当はMCだけで10分くらい喋ってほしいけど、フェスの持ち時間を考えると、さすがにそうもいかないか笑)
(古閑英揮)
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