『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
アニメ『ギヴン』のサウンドプロデューサーを務め、国内外で注目を集める温詞のソロプロジェクト・センチミリメンタルから、3年8ヶ月ぶりのアルバム『カフネ』が届いた。テーマは「愛」。一見、既存の作品と大きく変わらないテーマのようだが、私は本作でセンチミリメンタルとの距離が過去一近づいた気がした。これまではどこかリスナーが個々で愛を感じ取り、勇気や希望をもらっていた気がするが、今回はその愛の中に「体温」を強く感じたからだ。幕開けのピアノと弦楽器、ボーカルの一発撮りで届けたバラード“君想う夜”。《生まれてきてくれてありがとう》と感謝をストレートに届けた“ゆう”。初めてのプロデューサーにシライシ紗トリを迎え、キャッチーなメロディと新たなアプローチに挑戦した“ツキアカリ”。特にそれらの楽曲からはセンチミリメンタルの素直な想い、メッセージが感じ取れる。『ギヴン』が終幕し、この先への決意表明にも思える『カフネ』は、同時に温詞が君への感謝を綴ったラブレターでもあるのだろう。(岩田知大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年9月号より)
『ROCKIN'ON JAPAN』9月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。