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    テレフォンズが最高な理由

    テレフォンズが最高な理由

    1年ぶりの東京ワンマンは、なんとプロレスの試合会場として知られるディファ有明。

    今のテレフォンズのライヴは、まさにこの会場にふさわしくステージ上の熱量も客席の熱量も異常。特別に演奏が上手かったり、歌が上手かったり、喋りが上手かったり(むしろ今日はグダグダ)、洗練されたメロディがあったりするわけでもないのに、なぜここまで盛り上がれて少し目頭が熱くなるようなライヴができるのか、ずっと不思議な気持ちで観ていた。そしてアンコールでワンマンならではの選曲だった「Homunculus」のときの石毛のMCでハッとした。「死にたいときに作った曲です」と彼は言ったのだ。テレフォンズの音楽が徹底的にハッピーなのにどこか胸を締め付けるような切なさがあるのは、ときどき死にたくなるような男が音楽に光を求めて作ったダンスロックだからである。そして、その音楽はライヴにおいてオーディエンスが心に抱えた空虚と化学反応を起こして爆発するのだ。

    ラストに演奏された新曲が良かった。歌とメロディが、その切なさの深みまでを描けるように成長していた。ダンスチューンではないが客席はとても大きなハッピーに包まれた。(古河)
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