何度か観ているワンマンの中でも、間違いなくベストアクト。本当にスゴかった。過剰な表現とは知りつつ敢えて書かせてもらうなら、今日の阿部真央は次元がひとつ違っていた。


これまでの彼女は、自分の立ち位置や存在の確認のために、持ち前のサービス精神も相まって、多種多様な「あべまお」をプレゼンテーションしてきた。その「揺れ」は、それこそハイティーンなら誰しもが経験したことがある鋭敏な「揺れ」とシンクロしていて、とても感情移入しやすいものだったのだが、今日の阿部真央には、その「揺れ」が全く見られなかった。なぜか。


MCで本人の口からストレートに語られたように、それは自分を肯定できたからである。そしてその肯定の力は、そのままロックのビートとして鳴り、終始ライヴを支配した。今日初めて阿部真央のライヴに来た人は、正直驚いたのではないだろうか。とにかくストイックで、そしてラウドな音が奏でられた初のAXワンマン。ここで手にした力と自信は、とてつもなくデカい。(徳山)