音楽が広がる瞬間──Billyrrom、Zepp Shinjukuで気付いた変化

音楽が広がる瞬間──Billyrrom、Zepp Shinjukuで気付いた変化
Billyrromを観るのは、リキッドルームでのワンマンライブ以来。そのときも完成度の高いライブだったが、Zepp Shinjukuでの彼らはさらに進化を遂げていた。

Billyrromは、ソウル、ファンク、シティポップといった要素を巧みに取り入れつつ、既存のジャンルに収まらない音楽を生み出してきた。そのため、以前観たときは、「この音楽が分かる人」に自然と支持され、コアなファン層が中心だったように思った。限られた人たちが共有する、閉じた空間のような雰囲気を感じたのも確かだ。

しかし、今日のBillyrromは違った。音楽の本質を守りながら、より多くの人に届く形へと進化していた。男性ファンの増加、オーディエンスのリアクションの変化、そのどれもが、彼らの音楽が新たな層に届き始めていることを示していた。

MCも最小限。ツアーの思い出を語るわけでも、グッズの宣伝をするわけでもなく、ただ感謝の言葉をシンプルに伝えるのみ。その分、楽曲に全てを注ぐ。そんなストイックな姿勢が、彼らの音楽への向き合い方をより鮮明に浮かび上がらせていた。

そして、4月29日にはJAPAN JAMへの出演が決まっている。ライブハウスという閉じた空間で深く響かせてきた彼らの音楽が、野外の昼のステージでどのように解放されるのか。その瞬間を目撃するのが、今から楽しみだ。(古閑英揮)
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