毛皮のマリーズのツアー最終日、初にしてソールドアウトとなった渋谷AX。
フランス・ギャルの“夢見るシャンソン人形”が鳴り響く中、赤・白・青のトリコロールの照明に照らされ、メンバー登場。のっけからどっぷり“Mary Lou”の世界を見せつける。
志磨は「ダイアモンド・ドッグス・ツアー」時のデヴィッド・ボウイの赤いグローヴ+サスペンダー姿で登場。「ロック史上初のスタジアムツアー」の衣装をモチーフにしたのは、スケールアップした会場への気合いなのか? はたまた、初期の“犬ロック”が「ダイアモンドの犬」へと変化したということを暗示してるのか? あるいは本編ラスト“REBEL SONG”と“REBEL REBEL”をひっかけてるのか? 深読みしすぎてよくわからなくなってきたが、とにかく赤グローブ、似合ってました。
前半はかなり緊張も見られ、いっきなり“Mary Lou”で歌詞をぶっとばし、 ♪ああ〜、僕はバカです〜緊張しすぎて歌詞をとばして、アコースティックギターでここ(額)打って〜、と“ザ・フール”でネタにしていた。
とはいえ中盤以降、いつものハードチューンで一気に逆転。
“ビューティフル”の導入でジョン・レノンを歌っておきながら、そのあと“コミック・ジェネレイション”で《愛も 平和も 欲しくないよ だって 君にしか興味ないもん》と歌うところも彼ららしいユーモアに溢れていた。
それにしても“人生II”〜“ビューティフル”は感動的だった。
“ビューティフル”を歌っている時の毛皮のマリーズは、マンガみたいにいきなりぐわっとスケールがデカくなり、万能感を手に入れるのだ。
写真は、終演後の毛皮のマリーズとサポート・キーボードの奥野氏。
「コミカル・ヒステリー・ツアー」らしい記念写真。 (井上)