紆余曲折を経て完成したニューアルバム『アンモナイト』。突然の入院からレコーディング復帰、完成に至るまで、有村竜太朗にすべてを聞いた。 本人は相変わらず飄々としていたが、淡々とした口調から本当にいろいろな思いが伝わってきた。『アンモナイト』は、いろいろな要素を持った一筋縄ではいかない作品だが、後半は有村自身の体験から生まれた透明な「祈り」がつまっていてぐっとくる。オープニング“Thirteenth Friday”は、昨年8月13日の金曜日、武道館で流れていた曲で、シューゲイザー直系のサイケデリック轟音ノイズがただただ美しく陶酔する。なのに、《We change tonight…》という静かな覚醒感に、バンドの今を感じる。少し生まれ変わった“バンビ”もいい。掲載は、3月15日発売のbridge。ぜひ読んでほしい。今日はファンクラブ限定ライヴがあるそうだ。ファンはもちろん、年末公演を中止せざるを得なかった彼ら自身にとっても念願のライヴとなる。そして、間もなくツアーも始まる。キャリアの長いバンドだし、バンド名が「枯れない木」だけに、いつでもずっとそこにい続けると思い込んでいたところがあるが、4人がPlastic Treeとして活動できることの幸せをお互いがかみ締める旅になるのだろう。午後の陽射しの中で撮影を始め、じっくりインタヴューを聞き終えたら、空に月が出ていた。
(井上)