1stアルバム『*(NOTES)』を携え全国ツアーをまわっているNIKIIE。
今日はその終盤戦の赤坂BLITZ公演を見てきた。
赤坂BLITZ、という今の彼女にとっては大きな会場で、
やはり最初は緊張気味に見えたし、いきなり絶好調!という感じではなかったと思う。
でもドラム・パーカッション+ギターのふたりと共に、鍵盤を力強く鳴らし歌う彼女は、徐々にあの空間を伸びやかな自分の音楽で満たしていった。
今回のツアーから始めた、ピアノの前を離れてハンドマイクでステージを歩き回りながら歌う姿はとても新鮮だったし、
本編ラストの“HIDE&SEEK”の迫力あるパフォーマンスもよかった。
彼女の地元・茨城で開催のロック・イン・ジャパン初出場や今回のツアーなどを経て、着実に逞しくなっている。
彼女の音楽はいわゆるメジャーフィールドで広く聴かれるべきポップミュージックだけど、
誰もが心地よく聞けるような「きれいに整った」生易しいポップスではない。
美しいメロディに、時にグサっと突き刺すような鋭利な言葉を忍ばせながら、
まるで全身の毛が逆立つように、ちょっと怖いくらい感情が沸き上がる瞬間がある。
NIKKIEの曲には、周囲に対して強がったり、愛想笑いをしながら、その裏でひとりこっそりと泣いたり怒ったり嫉妬したりしている女の子がいる。
それはNIKIIE自身が、普段生きている中でいつも素直でいられる人間ではないからだろう。
本音と建前の中で揺れ動く人間を「弱い」と決め付けるのは簡単だけど、
そんな「素直でいられない」自分すらも、すべて音楽においてはさらけ出してしまうNIKIIEは、
表現者としてやはりとても「素直」だし強い。
その覚悟が、彼女が吐き出す音楽に100%乗った時、私はいつも心が揺さぶられるし、ギュウッと締め付けられるのだ。
今日もそんな瞬間が何度かあった。(福島)