忘れらんねえよのファーストアルバム、その名も『忘れらんねえよ』。「へたれ」とか「どクソバンド」とかいろいろ言われていますが(言われていますがっていうか、言っているのは主に本人)、このアルバムはかっこいい。ウソじゃないよ。
歌詞もアーティスト写真もCDのアートワークも、すべてが狙いすましたように情けない感じなのだが、ロックンロールとしての「強さ」と「ヒリヒリした感じ」だけは本物。で、それが本物ならあとはどうだっていい、という気分になる。
僕も最初このバンドを知ったときは半信半疑だったけど、セカンドシングル『僕らチェンジザワールド』(上の写真のやつ)を聴いて、ライヴを観て、ってやっているうちに、いつのまにかグッと心をつかまれてしまった。“この街には君がいない”を聴いたときは人目をしのんで泣きました。
アルバムに“パンクロッカーなんだよ”という素晴らしい曲が入っているのだが、パンクロックがそもそも負け犬のための音楽だということを考えたとき、この忘れらんねえよというバンドのあまりの正しさに泣けてくる。アルバムは3月7日発売。現時点での持ち曲全部つぎ込んだ13曲。食わず嫌いのあなたに無理やり聴かせたい。(小川)